書の大家「三跡」の一人、南北朝期の重文社殿がある小野神社の境外社
[住所]滋賀県大津市小野1213
[電話]077-594-8022 - 小野神社

小野道風神社(おののとうふうじんじゃ)は、滋賀県大津市小野にある神社。小野神社の境外(飛地境内)摂社である。御朱印については、小野神社に問合せのこと。

『延喜式神名帳』にある「小野神社二座(近江国・滋賀郡)」に比定される式内社(名神大社)の論社。

御祭神は小野道風(894年-967年)。参議・小野篁の孫で、当時の代表的な能書家の一人であり、日本史全体でも三指に入る「三跡」の一人として、醍醐天皇などにも愛され、和様書道の創始者でもある。

若い頃から能書家であったと伝わるが、柳に飛びつく蛙の必死の姿を見てショックを受け、俄然やる気を出して努力し始めたというエピソードが残る。

『延喜式』は道風の存命中のことであるため、当社がその当時存在していたとしても、御祭神は道風ではありえず、式内社「小野神社」の論社とはいっても、周辺に点在する小野神社群として考えられるのが通例。

小野神社(御祭神は小野氏の祖神)を中核に、当社の他、小野篁神社、小野天皇社(天皇神社)などがあり、当社の南には小野妹子の墓と伝わる唐臼山古墳と小野妹子神社もある。

当社(暦応4年=1341年)と小野篁神社(興国2年=1341年)、小野天皇社(正中元年=1324年)の社殿はともに切妻造に向拝を設けた珍しい形式で、県下でもこの三社しか残っておらず、国の重要文化財に指定されている。

手鋏(てばさみ)に極めて優秀な唐草彫刻が施されており、南北朝時代の彫刻を知るうえでも貴重な建物になっている。

例祭は5月3日で、小野篁神社との共催。境内社に、樹下神社・文殊神社・八坂神社がある。

【ご利益】
書道・技芸上達、諸願成就
小野道風神社 - 書の大家「三跡」の一人、南北朝期の重文社殿がある小野神社の境外社
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