但馬国名神十社の一社、江戸初期の本殿や平安期以来の御田植祭も
[住所]兵庫県豊岡市佐野542-2
[電話]0796-22-3350

雷神社(いかづちじんじゃ)は、兵庫県豊岡市佐野にある神社。佐野天神とも称した。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「雷神社(但馬国・気多郡)」に比定される式内社(名神大社)。近代社格では村社。

御祭神は大雷神。須佐之男命菅原道真を配祀する。この地一帯はいつしか「八條」と呼ばれるようになり、当社が里界線の基点となったとも伝わる。

『国司文書 但馬神社系譜伝』によれば、創建は第42代文武天皇の慶雲3年(706年)7月。但馬国の名神大社十社の中の一社に数えられた古社。

『続日本後紀』承和9年(842年)10月乙亥(15日)条において、官社に預かるとある。『日本三代実録』貞観10年(868年)12月27日丙戌条において、従五位下。

ちなみにに同じく但馬国の名神大社である山神社戸神社・海神社(論社に絹巻神社海神社)・㯮椒神社も官社列格、従五位上昇叙ともに同時である。

延喜21年(913年)には勅使が差遣されており、また、村上天皇(在位:946年-967年)の時代、勅使門を建てて勅使を迎え、御田植え舞を奉納する。

勅使門は現在も境内に残り(後世の再建)、御田植え舞の奉納も、4月29日の春の例祭で今でも奉納される。

康永2年(1343年)には杉原伯書守が本殿修理。江戸期には天神と呼ばれ、当社では特に、菅原道真は死して天神(雷の神)になったと伝える。

慶安5年(1652年)、領主杉原伯耆守が田山林を寄進。中世・近世を通じて、神仏習合の痕跡が全く見られないことでも知られる。

明暦2年(1656年)、五味備前守豊直が大工服部清佐衛門に命じて本殿を再建。これが現存の本殿で、妻飾りの細部手法などよく特色を残し、江戸初期の建物として貴重。県の指定文化財になっている。

明治6年(1873年)10月に村社に列する。境内社に白玉神社がある。

【ご利益】
雨乞い、稲作の守護神
雷神社(豊岡市) - 但馬国名神十社の一社、江戸初期の本殿や平安期以来の御田植祭も
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