宗像三女神の一柱を祀る今治市の一の宮「姫の宮」、崇敬され続ける名神大社
[住所]愛媛県今治市宮下町3-1504
[電話]0898-22-3393

姫坂神社(ひめさかじんじゃ)は、愛媛県今治市宮下町にある神社。旧今治市の全域を含む日吉郷の一の宮とされる。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 南海道神 伊予国 越智郡「姫坂神社」に比定される式内社(名神大社)の論社。ただし、『延喜式』臨時祭「名神祭」には掲載されていない。

また、この名神大社は、誤記の可能性が指摘されている。近代社格では県社。御祭神は市杵島姫神天照大神の御子神とする。

『古事記』ではアマテラスとスサノヲの誓約によって生じた五男三女神の一柱で、後者の宗像三女神の一柱であって、スサノヲの御子神とされるが、現在はアマテラスの御子とすることも一般的。

ただし、女神としての市杵島姫神を御祭神とするのは、後世の厳島神社による影響とみる向きもあり、『神名帳考証』では、御祭神は屋船豊宇気姫であるとしている。

「姫の宮」と称えられ、往古より日吉の里、姫の宮の地(現 南日吉町)に鎮座していたと伝えられ、式内の名神大社として、皇室より久しく特別の待遇に預り、国司、守護職、領主をはじめ庶民の信仰を集めた。

近世になり、今治藩の祈願所として雨乞祈願のたびごとに藩主の参拝あり、毎年ご蔵米の献納に預った。

江戸時代に6200坪余の広大な姫の宮の社地から、現在の浄地に移転した。享保8年(1723年)9月9日、松山在住の仙波半幽斎全による古歌が伝わる。
ひめ坂に 立る梢のいろいろに 神のみそぎの錦なるらん
境内社に、大己貴神社(大国主神。殖産興業の神、農耕の神)、大山祇神社(大山祇神。山神信仰)、山王神社(土地の守護神、地鎮の神様)、明治42年(1909年)に遷座した青木神社(少彦名神。医学の神様)がある。

平成27年(2015年)3月21日午後2時ころ、当社付近の路上で、高齢女性の刺殺体が見つかり、殺人事件として注目を集めた。

なお、式内社「姫坂神社」の論社は他に、市内町谷の三島神社に合祀された、あるいは境内社の同名神社がある。あるいは当社の旧地という伝承が残る。

【ご利益】
交通主護の神、開運の神、安産の神
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姫坂神社の御朱印