大津祭(おおつさい/おおつまつり)は、滋賀県大津市の天孫神社の例祭で、10月の体育の日の前の土・日曜日に、土曜日が宵宮、日曜日が本祭として行われる祭典である。古くは天孫神社の通称にちなんで、四宮祭礼、四宮祭と称した。

大津祭の起源は、慶長年間(1596年-1615年)に鍛冶屋町の塩売治兵衛が狸の面をつけて踊ったのが最初とされる。県の無形民俗文化財に指定されている。

本祭当日には、ゴブラン織りや精巧な金具に飾られた、豪華絢爛な13基の曳山巡行があり、一連の行事の中で最も人気の高いハイライト。

コンコンチキチンの囃子とともに、所望場所で巧妙なからくりを演じながら巡行する。曳山は下記となる。

・西行桜狸山(さいぎょうざくらたぬきやま)…鍛冶屋町(1635年創建)
・猩々山(しょうじょうやま)…南保町(1637年創建)
・西王母山(せいおうぼざん)…丸屋町(1656年創建)
・西宮蛭子山(にしのみやえびすやま)…白玉町(1658年創建)
・殺生石山(せっしょうせきざん)…柳町(1662年創建)
・湯立山(ゆたてやま)…玉屋町(1663年創建)
・郭巨山(かっきょやま)…後在家町・下小唐崎町(1693年創建)
・孔明祈水山(こうめいきすいざん)…中堀町(1694年創建)
・石橋山(しゃっきょうざん)…湊町(1705年創建)
・龍門滝山(りゅうもんたきやま)…太間町(1717年創建)
・源氏山(げんじやま)…中京町(1718年創建)
・神功皇后山(じんぐうこうごうやま)…猟師町(1749年創建)
・月宮殿山(げっきゅうでんざん)…上京町(1776年創建)

この他に、堅田町の1637年創建の神楽山(かぐらやま)があったが、明治初年に町内の財政が逼迫し人形と幕類を残して本体は京都に売られたという。

これら13基の曳山は、毎年組み立てては解体するもので、県下の曳山では例を見ない。珍しいのは曳山で使うからくり人形で、人形そのものや見送り幕、屏風は、全国的にみても最古の部類で、その細工も一流。

宵宮には、夕刻から、からくり人形などの曳き山飾りが、各町の役員宅に飾られ、道路から見学できる。翌日の本祭は、9時30分から曳山巡行が始まる。

最初に天孫神社の鳥居前でからくりが演じられた後、京町通、県庁前通、浜通を経て電車通りから中町通を巡行し、途中、中央大通で休憩し、京町通、寺町通などを経て午後5時頃終了。詳細や詳しい日程は公式サイトまで。

なお、秋に行われる大津祭は、春の日吉大社山王祭、夏の建部大社船幸祭とともに大津三大祭の一つであり、また、山王祭と、長浜八幡宮曳山祭とともに湖国三大祭の一つとされる。
大津祭とは? - 10月中旬の滋賀・天孫神社の例祭、13基のからくり曳山が市内を巡行
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天孫神社(大津市) - 四宮神社とも、大津祭の曳山行事で知られる平安初期創建の古社