神武天皇や神功皇后が天神を祀り、道真も参詣した、瀬戸内海の交通の要衝
[住所]兵庫県姫路市家島町宮1
[電話]079-325-0365

家島神社(いえしまじんじゃ)は、兵庫県姫路市家島町にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 山陽道神 播磨国 揖保郡「家島神社」に比定される式内社(名神大社)。近代社格では郷社。

当社地は、神倭磐彦命(即位して初代神武天皇)東遷の際、一行が寄港したと伝わる。室の内の如く静かな海と島だったために家島と名付け、天神を祀り、皇師の武運長久と海上安全を祈願した。

また、神功皇后が三韓征伐の際、その門出に天神を祀った際、全山がにわかに鳴動したのて、この一帯をゆつるの山と呼ぶようになったともいう。

古くから、家島の地は瀬戸内航路の要衝として栄え、万葉歌人達もいくつか歌を残している。例えば『万葉集』巻十五には下記がある。
家島は 名にこそありけれ 海原を 我が恋ひ来つる 妹もあらなくに
天平宝字8年(764年)、福州の賊船が襲来した際に、戦勝を祈願した。

家島諸島の総鎮守であるとともに、播磨灘を守護する大神として、また国家鎮護の神としで、『続日本後紀』によれば、承和7年(840年)には官社となった。

菅原道真が参拝した際、境内入り口の岩場で詩を書かれたといわれ、「詩を書き石」と呼ばれて現存している。道真に関する伝承も多く残る。

そのため、現在の御祭神は大己貴命少名彦命・天満大神となっており、特に江戸時代は「天満宮」と称したという。

道真が休憩した跡に小さな社を建てた、との伝承も生まれたようだ。ただし、主祭神は大己貴命とされる。

幕末の慶応4年(1868年)に式内社と認定され、明治7年(1874年)2月には郷社に列した。境内社に大山神社がある。

例祭は7月24日・25日。壇尻船(だんじり船)が出る勇壮な夏祭りとして知られる。

7月24日夜、提灯行列が行われる。宮地区の宮浦神社で採火された御神火を戴き、町中を囃歌によって練り歩き、当社まで夜詣する。

同じ頃、宮・真浦の港に停泊中のだんじり船では、獅子舞の奉納がある。

翌25日には、宮・真浦の両地区から出港しただんじり船では、道中と呼ばれる所作を獅子連中が繰り返しながら、天神浜(当社境内の浜)より上陸し、当社に至って獅子舞を奉納する。

大祭には、巫女による神楽や湯立ても行われる。

【ご利益】
海上・交通安全、武運長久・勝運
家島神社 - 神武天皇や神功皇后が天神を祀り、道真も参詣した、瀬戸内海の交通の要衝
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