式内社「多米神社」が住吉大社の境内社に、商売繁盛・子授けの神で独自の信仰
[住所]大阪府大阪市住吉区住吉2-9-89
[電話]06-6672-0753 - 住吉大社

種貸社(たねかししゃ)は、大阪府大阪市住吉区住吉の住吉大社の境内にある神社。参拝すれば、住吉大社とは別に御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 摂津国 住吉郡「多米神社」に比定される式内社(小社)の論社。もとは多米神社と呼ばれ、現在の大阪市住吉区長居2丁目に鎮座していた。

『新撰姓氏録』にある神魂命の五世の孫天日鷲命の後裔・多米連の氏神で、食物神である宇迦御魂神を祀った。現在、住吉大社の御祭神表記は倉稲魂命となっているが、同じ神である。

多米連は、第13代成務天皇の御世に、素晴らしい米を供したとして賞せられ、多米連の姓を賜ったと言われ、もともと穀物、食事などと関わりが深い。

往時は、苗見明神、苗見の社あるは種貸明神、種貸宮と呼ばれ、境域を苗見の森、種貸の森とされた。現社号の萌芽がここにあり、その時から衣食の神とも子宝の神とも崇敬されたという。

安土桃山時代から江戸時代初期にかけて、天正(1573年-1593年)・慶長 (1596年-1615年)の頃、兵火に罹り、社殿や神宝を焼失。

江戸時代前期の明暦元年(1655年)に住吉大社の境内に遷座した。旧鎮座地には今も平田盛胤(1863年-1946年)の撰文になる由緒が記された石碑が残る(参考)。

昔は、稲種を授かって豊作を祈るという信仰があり、その後、神から授かった「お種銭」を資本に加えて商売すれば増殖繁栄すると、大阪商人に親しまれ、多くの参拝客が訪れるようになった。

また、稲には繁殖させる穀霊が宿っているといわれており、子授けの神として日本全国より御崇敬を集めるようにもなった。

今でも盛んに初辰まいりが行われ、当社はその第一「願いの種」であり、楠珺社・浅沢社・大歳社と続いていく。

例祭は4月9 日。なお、当社以外に、住吉大社の境内社で式内社に船玉神社大海神社がある。

式内社「多米神社」の論社は他に、現在は神須牟地神社の境外末社になっている、式内同名神社がある。

【ご利益】
資金調達・子宝・知恵、商売繁盛
種貸社 - 式内社「多米神社」が住吉大社の境内社に、商売繁盛・子授けの神で独自の信仰
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種貸社の御朱印