大津大石に鎮座、七瀬の祓い所の一つ祓戸大神総本宮、「大祓詞」創始地
[住所]滋賀県大津市大石中1-2-1
[電話]077-546-0079

佐久奈度神社(さくなどじんじゃ)は、滋賀県大津市にある神社。祓戸の大神総本宮とも。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「佐久奈度神社(近江国・栗太郡)」に比定される式内社(名神大社)。近代社格では県社

御祭神は祓戸大神と総称される、瀬織津姫命・速秋津姫命・気吹戸主命・速佐須良姫命。祓い浄めを始め、武運長久・家内安全の神徳を有すとされる。

当社の解説では、速秋津姫命は伊豆能売に、気吹戸主命は神直毘神に、速佐須良姫命は本居宣長の説による須勢理毘売命にそれぞれ比定している。速秋津姫命については、『古事記』に速秋津比売神の神名がある。

天智天皇8年(669年)、勅願により、中臣金が祓戸の神を祀ったのが創祀。以来、七瀬の祓い所の一つとして重んぜられ、仁寿元年(851年)には名神に列し、貞観元年(859年)、従五位上に叙された。

明治9年(1876年)に村社に列格し、明治41年(1908年)には神饌幣帛料供進社の指定を受け、大正10年(1921年)に県社に昇格した。

昭和39年(1964年)、下流の天ヶ瀬ダム建設に伴い、旧境内地が水没するため、現在地に移転した。

神道における最高祝詞である「大祓詞(おおはらえのことば)」のもととなった「中臣大祓詞」の創始地としても知られる。

中世以降整備された「中臣大祓詞」が明治期に抜粋されて新たな祝詞として制定されたのが「大祓詞」となる。

当地の地名「大石」の語源は、伊勢詣での祓所の意である「忌伊勢(おいせ)」が訛ったという説がある。伊勢の神宮(伊勢神宮)参拝には、まず当社で禊ぎするのが習わしだったとも。

当社には伊勢神宮から納められた神剣と鼻高面が伝えられている。

例祭は4月16日。7月31日には御手洗祭がある。6月末と12月末に大祓式が執り行われるが、御手洗祭は旧暦にあわせた大祓の祭儀とし、当社では「由緒の上から最も重要な祭」と位置付けている。

境内社に、焼鎌神社・敏鎌神社・稲荷神社・八幡神社がある。

地名の「大石」はまた、大石家の出身地でもある。「忠臣蔵」で有名な大石良雄の曽祖父にあたる大石蔵之介良勝が奉納した絵馬が現存する。市指定文化財。

【ご利益】
厄除け、祓い・禊、武運長久・家内安全
佐久奈度神社 - 大津大石に鎮座、七瀬の祓い所の一つ祓戸大神総本宮、「大祓詞」創始地
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佐久奈度神社の御朱印