「うんぜんじんじゃ」、『古事記』にある九州の四面の神を祀る
温泉神社(長崎県雲仙市小浜町雲仙319)
[住所]長崎県雲仙市小浜町雲仙319
[電話]0957-38-2168

温泉神社(うんぜんじんじゃ)は、長崎県雲仙市小浜町雲仙、雲仙地獄に隣接して鎮座する神社。近代社格では県社。「おんせん」ではない。もともと「雲仙」は「温泉」に作る。意義としては「雲仙神社」であり、湯の温泉とは関係ない。参拝すれば、御朱印を頂ける。

白日別命(しらひわけのみこと)速日別命(はやひわけのみこと)、豊日別命(とよひわけのみこと)豊久土比泥別命(とよくじひねわけのみこと)、建日別命(たけひわけのみこと)を祀る。

白日別命、豊日別命、豊久土比泥別命、建日別命の4柱は、『古事記』にある筑紫島(現 九州島)4箇国(筑紫、豊、肥、熊曽国)の別名とされ、そこから当社は「四面宮」とも称された。速日別命は有明海との関連が指摘される場合がある。

大宝元年(701年)、もしくは文武天皇元年(697年)に当地を訪れた行基が、大乗院満明寺を開山し、同時に当社を創祀したと伝えられる。

以後、雲仙岳を霊山として信仰し、当社から麓の諸村に御分霊を勧請、当初は千々石、吾妻、有家、そして伊佐早(現 諫早神社)の4か所であったが、その後も広がり、現在、島原半島内には当社社号を称する神社が十数社ある。

また、四面宮としても各地に勧請され、有名なところに諫早市宇都町の諫早神社がある。

当社は、『日本三代実録』で、貞観2年(860年)に従五位下から従五位上に昇叙された「温泉神」に比定される国史見在社である。かつては「四面宮(しめんぐう、しめのみや)」や「筑紫国魂神社」と称していた。

弘安4年(1281年)の元寇に際しては、元陣に一身四面の勇士が現れ、「吾は肥前国温泉社なり云々」と称したと伝える。

江戸時代に島原藩の祈願所とされ、高力家や松平家などの歴代藩主の崇敬を受けた。大正4年(1915年)に現社名に改め、大正5年(1916年)、県社に昇格した。

社殿の右側から奥に入ると、樹齢200年以上の「夫婦柿」がある。社殿の右手前にある「普賢茶屋」では、ご当地グルメのかんざらしや具雑煮などが味わえる。

例祭は10月29日。

【ご利益】
九州の守護神、家庭円満、夫婦和合、武運長久
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温泉神社(雲仙市)の御朱印