物部氏一族が祖神を創祀、「総社明神」「惣社宮」と呼ばれた伊予国総社
伊加奈志神社(愛媛県今治市五十嵐甲635)
[住所]愛媛県今治市五十嵐甲635
[電話]0898-55-3237

伊加奈志神社(いかなしじんじゃ)は、愛媛県今治市五十嵐にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 南海道神 伊予国 越智郡「伊加奈志神社」に比定される式内社(小社)。伊予国総社で、近代社格では村社。

御祭神は、五柱命(天地創造神)・五十日足彦命(いかたらしひこのみこと、第11代垂仁天皇の皇子)・伊迦賀色許男命(いかがしこおのみこと)。

この地に国造として派遣された物部氏の系統の一族が彼らの祖神とする伊迦賀色許男命を祀ったのが起源という説がある。また、鎮座地の「五十嵐(いかなし)」も「伊迦賀色許」がなまったものという説がある。

古くから「総社明神」と呼ばれ、近くを流れる川は蒼社川(総社川)と呼ばれた。また鎮座地周辺は鴨部(かんべ、神戸)郷と呼ばれていた。

幕末には惣社宮とも呼ばれていた。安政5年(1858年)に社殿が火災に遭い、古文書や宝物が焼失してしまったという。

境内には、山之神神社(御祭神:大山積神)、大己貴神社(御祭神:大穴牟遅神)、宗形神社(御祭神:宗像三女神)、荒神社などがある。

例祭は10月10日。毎年例祭日の3日後にくじ引きによって翌年までの祭祀を担当する連中(10戸単位の氏子の集まり)が決められ、その頭である当屋が主導する。例祭はかまど開きの後に餅をついて神前に供え、1週間後にかまどをしまう。

また八十八夜前後には神殿に籠り豊作を祈願する早苗祭が行われる。

【ご利益】
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