『日本書紀』に記載された、大分姫島の名の由来となった御祭神を祀る古社
[住所]大分県東国東郡姫島村両瀬
[電話]0978-87-2111 - 姫島村役場

比売語曽社(ひめこそしゃ)は、大分県東国東郡姫島村にある神社。近代社格では村社。比売語曽神社とも。御祭神は比売語曽神。御朱印の有無は不明。

当社及び御祭神が姫島の名前の由来となった。創建年代は不詳。毎年4月3日に春の大祭が開かれる。「ひめこそ」は姫社とも表記し、姫を祀った神社という意味の古語。

御祭神の比売語曽神について、『日本書紀』では、第11代垂仁天皇の時代のこととして、渡来伝承とともに、下記のように伝えている。
現在の韓国南部にあったと考えられている意富加羅国(おほからのくに)の王子の都怒我阿羅斯等(つぬがあらしと)が、白石から生まれた童女(阿加流比売神)に求婚すると、美女は消え失せ、都怒我阿羅斯等が追いかけると日本に渡り、摂津及び姫島に至って比売語曽社の神となった。
このうち、姫島の比売語曽社が当社であり、国史見在社

摂津の比売語曽社は、大阪市東成区の比売許曽神社や大阪市中央区の高津宮の境内社である比売古曽神社、あるいは現在は杭全神社の境外摂社である赤留比売命神社などとされる。

また、比売語曽神については他に、新羅王の子天之日矛の妻、新羅王波沙寝錦の妃、大己貴命の娘である下照姫命、辛国息長大姫大目命、真野の長者の娘の玉依姫(般若姫)などの諸説がある。

このうち、『日本書紀』に掲載されている伝承は、『古事記』においては天之日矛と阿加流比売神の話として描かれている説話と類似している。『古事記』には神社創建の話はない。

さらに、宇佐神宮の御祭神のうちの、宗像三女神とされる比売大神が比売語曽神であるとする説もある。

広島県呉市の亀山神社は、白鳳8年(679年)に姫島の神が遷座したものとされ、古くは日売島神社(ひめしまじんじゃ)などと呼ばれた。

【ご利益】
女性の守護神、婦人病、悪縁切り、子育て・子宝・安産
比売語曽社 - 『日本書紀』に記載された、大分姫島の名の由来となった御祭神を祀る古社
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