綏靖期に白山大神を祀り、浅間神を合祀した「理」と「和」の神
甲斐奈神社(山梨県甲府市中央3-7-11)
[住所]山梨県甲府市中央3-7-11
[電話]055-233-4742

甲斐奈神社(かいなじんじゃ)は、山梨県甲府市中央にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 甲斐国 山梨郡「甲斐奈神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

主祭神は白山大神(はくざんさん、菊理姫命)で、白山を御神体と仰ぐ理智・決断・統一・紛争解決の神。

そして、江戸期に合祀された浅間大神(せんげんさん、木花開耶姫命)で、富士山を御神体と仰ぐ平和・寛容・結縁・安産の神。

相殿神に瓊瓊杵命(治国済民)、大山祇命(生命繁栄・守護)、石長姫命(健康・長寿)、若彦命(先導・道開き)。

前3柱はいずれも浅間神とゆかりのある神々。若彦命はここではアメノワカヒコ(天若彦命)としているが、つながりなどが不明。ご神徳からみれば、猿田彦命のことか。

第2代綏靖天皇の御代、甲斐国開拓に際し 甲斐奈山(現 愛宕山)の山頂に白山大神を祀ることに始まるという。以後、『延喜式神名帳』に記載され、甲斐国鎮守の神として尊崇された。

戦国時代の永正年間(1504年-1520年)、武田信虎の築城に際し、現在地に遷座され、文禄年間(1592年-1595年)には、甲府城起工に際して東部守護神として、浅間大神が併祀された。

江戸時代中期の享保12年(1728年)12月、火災により焼失したが、ただちに復興した。

幕末の慶応4年(1868年)に現社号に改称、明治9年(1876年)、郷社に列し、昭和2年(1927年)、境内拡張事業により現在の規模に至る。

皇室との縁が深く、皇族懐妊の折には、安産祈願の御神札を献上したとも伝えられる。また、大正年間(1912年-1926年)には、時の宮司が神前結婚式を一般に広めたとも。

昭和20年(1945年)、戦災により社殿がことごとく焼失するも、終戦から十数年で復興。

昭和63年(1988年)には石垣の大改修が行われ、平成18年(2006年)には本殿と拝殿の改築、平成23年(2011年)には社務所が改築され、現在に至る。

白山大神の「理」、浅間大神の「和」のご神徳で、広く崇敬を受けている。境内社も多く、また、命の石・子育石・夫婦銀杏石などもある。

例祭は4月15日で神幸祭、一般には「おみゆきさん」として知られる。6月最終土曜日が大祓祭で、同じく「おみそぎさん」。

式内社「甲斐奈神社」の論社は当社の他に、笛吹市春日居町(甲斐国四宮・総社)と笛吹市一宮町(総社)に同名の神社がある他、笛吹市春日居町鎮目の吾妻屋宮(山梨岡神社境外摂社)がある。

【ご利益】
理智・決断・統一・紛争解決の神、平和・寛容・結縁・安産の神
甲斐奈神社(甲府市) - 綏靖期に白山大神を祀り、浅間神を合祀した「理」と「和」の神
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甲斐奈神社(甲府市)の御朱印