奈良大神神社を勧請、阿波国総社と思われる印鑰大明神と称された府中宮
[住所]徳島県徳島市国府町府中644
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大御和神社(おおみわじんじゃ)は、徳島県徳島市国府町府中にある神社。府中宮(こうのみや)とも。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 南海道神 阿波国 名方郡「大御和神社」に比定される式内社(小社)。阿波国総社で、近代社格では県社。御祭神は大己貴神大山咋神を合祀するとも。

創祀年代は不詳。一説に大和国三輪神社、つまり奈良の大神神社から勧請と伝わる。

ただし、阿波国が神話・古代の中心との見方によれば、大神神社の元宮との見解もごく一部だがみられる。いずれかの時代、国司が大和国から勧請した、との説が有力。

往古は印鑰大明神と称し、阿波国総社の可能性が指摘される。印鑰(いんやく)は官印や国庫の鍵。つまり国そのものの守護神という位置づけだったと思われる。

社地は、南に国分寺、西に国分尼寺があり、古代政治の中心地だったと考えられている。

ちなみに、印鑰神社は全国で約20社あるという。それも九州が8割を占めるようだ。

そのいずれもが総社というわけではないが、当社の場合は鍵にまつわる伝承、神紋、国府などとの距離を考えると、国司が特に崇敬した国府の鎮守とは言えそうだ。

明治5年(1872年)に郷社に列し、昭和11年(1936年)に県社に昇格した。境内に江之島神社、若宮神社、稲荷神社があり、飛び地境内社として4神社を所管する。

例祭は10月中旬。なお、阿波国総社には他に徳島市国府町の八幡総社両神社がある。

【ご利益】
開拓、国土開発、産業振興、商売繁盛
大御和神社 - 奈良大神神社を勧請、阿波国総社と思われる印鑰大明神と称された府中宮
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