熊本阿蘇地方以外の唯一の式内社、玉名地方再興の県社で現在も地域の中核
疋野神社(熊本県玉名市立願寺457)
[住所]熊本県玉名市立願寺457
[電話]0968-72-2917

疋野神社(ひきのじんじゃ)は、熊本県玉名市立願寺にある神社。疋野宮、疋野大名神宮などとも。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 西海道神 肥後国 玉名郡「疋野神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社

社伝によれば、第12代景行天皇の九州巡幸の際に祀られたという。平安時代の『続日本後紀』には承和7年(840年)に官社に列せられたとある。

『延喜式』神名帳に記される肥後国四座のうちの一座であり、熊本県内において最も古い神社の一社である。

他の三座が阿蘇神社や阿蘇神社にゆかりのある神社のみで占められているため、その意味でも特殊であり、肥後国においては阿蘇以外で唯一、もちろん玉名郡で唯一の式内社。

当時、この地方の豪族であった郡司日置氏(へきし)の守護神として崇拝されていたが、日置氏の没落後には衰退し、社殿の跡さえ不明になった。

近世になり再興され、熊本藩主細川氏が厚い崇敬を寄せた。

現在の社殿は、肥後藩第3代藩主細川綱利(1643年-1714年)によって、元禄4年(1691年)に造営されたもので、すでに300年を経る。明治初年、玉名郡市では唯一最高となる県社に列した。

参道正面には堂々たる純白の大鳥居がそびえたつ。昭和55年(1980年)の建立で、阿蘇神社第91代阿蘇惟友宮司の揮毫額が掛かる。

平成11年(1990年)には台風11号によって社殿が大破したものの、2年間の再建工事を経て復興している。

疋野長者伝説ゆかりの神社である。毎年4月1日に疋野長者祭が斎行される。境内地に長者の御神陵があり、古くより、特に縁結び、商売繫昌、開運招福を願う参拝者が多い。

御神陵の真横に「長者の泉」があり、清らかな御神水がこんこんと湧出し、「福授の霊水」として大切にされている。

御祭神は、主祭神が波比岐神(はいきのかみ、はひきのかみ)で、製鉄の神とされる。配祀神として、主祭神の父に当たり、五穀豊穣の神である大年神(おおとしのかみ)。

例祭は10月15日。境内には他に猿田彦石碑がある。春の桜、秋の紅葉の美しさにも定評がある。近辺に30社近い兼務神社があり、名実ともに当地の中核神社である。

【ご利益】
縁結び・商売繁盛・開運招福(公式HP
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疋野神社の御朱印