江戸期の“激動”伊雑宮が権威を高めるために使用した、今は歴史用語
伊勢三宮とは? - 江戸期の“激動”伊雑宮が権威を高めるために使用した、今は歴史用語
伊勢三宮(いせさんくう)とは、江戸期、独立性の高かった伊勢の神宮(伊勢神宮)の別宮である伊雑宮とその神人が、神領横領と神領返還闘争事件を通じて、自身の権威を高めようと、皇大神宮(内宮)、豊受大神宮(外宮)に並ぶ第三極として、自身を位置付けようとした時の呼称。

その際、「日本第一の大社、大神宮」「伊雑皇太神宮」「伊勢三太神宮ご同体の一社」などとも自称。

これはやり過ぎで、内宮・外宮はもちろん、幕府からも批判を浴び、事件が終息すると、伊雑宮は独立性を失くし、この言葉自体は死語となった。歴史用語であり、現在も基本的には使われていない。

伊雑宮の激動の闘争史は、伊勢神宮の歴史の一幕でもあり、極めて興味深い。綺麗ごとばかりではない、神職・神社のドロドロ感に、臨場感を味わえるし、リアル。現在の「The清浄」からは全く想像がつかない。伊勢神宮の豆知識に最適か。詳細はこちらから。

また、現在は伊勢三宮として、神宮125社の中でもアマテラスを祀る、内宮・外宮(両正宮)、伊雑宮(内宮別宮)、瀧原宮(内宮別宮)の三宮を指すべきでは、などとの見解もある(参考)。

いずれも、現在は伊勢神宮125社の中で、御朱印を頂ける神社

皇大神宮

皇大神宮 - 伊勢神宮正宮 すべてが別格、神様が住まう、日本人の総氏神である唯一無二の聖地
[説明]日本人の総氏神、唯一無二の聖地
[社格]式内 - 正宮
[住所]伊勢市宇治館町
[電話]0596-24-1111 - 神宮司庁

豊受大神宮

豊受大神宮 - 伊勢の神宮もう一つの正宮・外宮、先祭や外宮から参拝のしきたり
[説明]先祭や外宮から参拝のしきたり
[社格]式内 - 正宮
[住所]伊勢市豊川町279番地
[電話]0596-24-1111 - 神宮司庁

伊雑宮

伊雑宮 - 「磯部の大神宮さん」などとも呼ばれる神宮内宮の別宮の一社で志摩国一宮
[説明] 「磯部の大神宮さん」、志摩国一宮
[社格]式内 - 内宮別宮第8位 - 重要無形民俗文化財
[住所]志摩市磯部町上之郷374
[電話]0599-55-0038

瀧原宮

瀧原宮 - 神宮125社、内宮・別宮 ヤマトヒメゆかりの元伊勢の一つ、和魂を祀る
[説明]ヤマトヒメゆかりの元伊勢の一つ
[社格]式内社 - 内宮別宮第6位
[住所]度会郡大紀町滝原872
[電話]0598-86-2018

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