「東に伊勢、西に香推、南に石清水、北に氣飯」の四神社、宇佐神宮は?
四所宗廟 - 「東に伊勢、西に香推、南に石清水、北に氣飯」の四社の神社、宇佐神宮は?
四所宗廟(ししょそうびょう)とは、江戸時代の学者・貝原益軒『筑前国続風土記』に「四所の宗廟とは、東に伊勢、西に香推、南に石清水、北に氣飯」とある四つの神社。日本四所宗廟、本朝四所などとも呼ばれる。京を中心として、皇室とゆかりのある神社を東西南北で比定したものと考えられている。

しかし、何か意図がありそうな感じの選択ではある。「西」の香椎宮、大雑把な西方で可であれば、二所宗廟ともされる宇佐神宮でよいのではないか? 特に二所宗廟の中でも宇佐神宮だけが四所に入っていないのには違和感が大きい。

なぜ、香椎宮なのか? 宇佐神宮ではなく、香椎宮でなくてはならなかった理由があるはず。筑前国の風土記だったため、とは、一応考えられる。これを入れないと、筑前国とは全く関係なくなってしまう。

また、「南」の石清水八幡宮。これを南というのは厳しい。いくら江戸期とは言え。逆にこの四社の中心を無理やり探せば、近江か。

第26代継体天皇ゆかりの地、式内社が異様に集中する不思議なこの旧郡国、現在の滋賀県は、神功皇后ゆかりでもある。この四所も、伊勢神宮以外、いずれも神功皇后ゆかりと見る向きもある。

そして、氣比神宮。確かに極めて重要な古社であるが、何か突然出てきた感じは否めない。しかし、香椎宮とともに考えるのであれば、答えはないわけではないかもしれない。

八幡神は応神天皇ではない - 九州で顕現したのだから九州と密接に繋がる“天皇”のはず

上記には煩雑になるため触れなかったが、二所宗廟、四所宗廟などの言われ方にも触発された部分はある。上の論考で無理なく、二所・四所の宗廟が全て登場してくるのは偶然ではない。

伊勢神宮は別格として除けば、残り三社、いずれも官幣大社という、明治期に最高級の社格を与えられた三社であり、宇佐神宮も入れて、皇室ゆかりとはいえ、神宮号の神社が多すぎる。そして例外なく、すべて「宮」で社号が終わる。これは偶然なのか。

“神宮”怨霊説を検証する - 神宮にいる歴代天皇はみな怨霊! 鹿島神宮のフシギとは?

伊勢の神宮

伊勢の神宮 - 「通称:伊勢神宮、正式:神宮」正宮・外宮・摂末社・所管社全125社の一覧
[説明]総計125社の日本最高の聖地
[社格]式内 - 二十二社 - 四方拝 - 初詣
[住所]三重県伊勢市宇治館町
[電話]0596-24-1111 - 神宮司庁

香椎宮

香椎宮 - 八幡神の親神様、「廟」として特別な崇敬を受け続けた本朝四所の一社
[説明]八幡神の親神様、「廟」として崇敬
[社格]官大 - 勅祭社別表
[住所]福岡県福岡市東区香椎4-16-1
[電話]092-681-1001

石清水八幡宮

石清水八幡宮 - 宮中の四方拝で遥拝される一社で、勅祭社 三大八幡宮の一社
[説明]宗廟、四方拝、勅祭社 三大八幡宮
[社格]国史 - 二十二社 - 勅祭社 - 四方拝 - 官大 - 別表 - 三大八幡 - 国宝社殿 - 初詣
[住所]京都府八幡市八幡高坊30
[電話]075-981-3001

氣比神宮

氣比神宮 - 古事記の説話の舞台の一つと御祭神、厚い尊崇受け続ける越前国一宮
[説明]古事記の舞台の一つ、越前国一宮
[社格]式内名神 - 官大 - 別表 - 神宮号 - 初詣
[住所]福井県敦賀市曙町11-68
[電話]0770-22-0794

【関連記事】

神社いろいろ - 社格や形式などで神社を分類したまとめ - 「~大」などと呼ばれる神社の名数