宇佐ともゆかり、住吉・宗像・八幡を同時に祭祀、八屋祇園が有名な式外社
[住所]福岡県豊前市四郎丸256
[電話]0979-83-3450

大富神社(おおとみじんじゃ)は、福岡県豊前市四郎丸にある神社。近代社格では県社、現在は神社本庁の別表神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

住吉大神・宗像大神・八幡大神を祀る。本殿が八幡大神で、応神天皇仲哀天皇神功皇后。東殿が宗像大神で、いわゆる宗像三女神である田心姫命湍津姫命市杵島姫命。西殿が住吉大神で、いわゆる住吉三神表筒男命中筒男命底筒男命

古来は宗像八幡社とも称され、当社神輿の古い鏡には大富ノ神とも宗像ノ神とも記されているという。住吉、宗像、八幡が完全に同居する形で祭祀されているのは全国的に珍しいかもしれない。

はじめ、真早という者に宗像三女神の神託が下されたのに始まり、『宗像神社宝鏡記』によると白鳳元年(671年)、山田庄長横武某に住吉大神・八幡大神の神託が下ったという。

社伝によると、第10代崇神天皇の時代、この地で疫病が流行したが、国主が当社神主に祈祷させると速やかに治まったという。『延喜式神名帳』への記載はないが、『日本三代実録』の貞観2年(860年)10月3日条には豊前国大富神に従五位下を授くとあり、国史見在社の式外社。

当地(山田庄)には平安末期頃、宇佐神宮の神宮寺である弥勒寺があり、宇佐神宮との関係が深い。境内には、古来宇佐宮への勅使がこの地に宿泊する際に水を汲んで供した「勅使井」と呼ばれる井戸があり、現在でも神職が宇佐宮にこの井戸の水(御神水)を持参している。

本殿は嘉永5年(1852年)の建造。本殿の軒は桔木(はねぎ)構造であるが、通常の一本の拮木で軒を支えるのでなく、桔木を二重に使って軒を支える独特の構造で、便宜的に「はかり桔構造」と名づけられ、全国的に見ても建築学的に貴重な軒構造とされている。

例祭は4月29日-5月1日で、春季神幸祭と呼ばれ、有名な八屋祇園が行われる。

八屋祇園は、八屋町地区の山車全体(全3種7基)を指す。西暦偶数年の隔年には国の選択無形民俗文化財、県重要無形文化財に指定され、奈良時代の天平13年(741年)に起源がある豊前感応楽(山田の感応楽)も奉納される。

【ご利益】
厄除け、海上・交通安全、所願成就など
大富神社 - 宇佐ともゆかり、住吉・宗像・八幡を同時に祭祀、八屋祇園が有名な式外社
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