三韓征伐の勝運の道を開いた神、江戸期から伝わる流鏑馬、船名の起源の神社も
[住所]福岡県大川市酒見726-1
[電話]0944-87-2154

風浪宮(ふうろうぐう)は、福岡県大川市酒見にある神社。代々阿曇氏が祭祀を司る。「勅命社」としている。近代社格では県社、現在は神社本庁の別表神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

御祭神は、主祭神が少童命三座(表津少童命中津少童命底津少童命)、相殿神が息長垂姫命(神功皇后)、住吉三神表筒男命中筒男命底筒男神)、高良玉垂命。地元では「おふろうさん」の名で親しまれている。

神功皇后が三韓征伐からの帰途、192年に筑後国葦原ノ津(大川榎津)に寄った時、皇后の船のあたりに白鷺が忽然と現われ、艮(東北)の方角に飛びさったのに対して、皇后は「その白鷺こそ我が勝運の道を開き給うた少童命の御化身なり」と看破。

白鷺の止る所を尾けさせ、その地である鷺見の里を聖地とし、武内宿禰(相殿神の高良玉垂命か)に命じて仮宮(年塚の宮)を営ませ、時の海上指令であった阿曇連磯良丸を斉主として少童命を祀ったのが始まり。旧暦11月29日と伝わっている。

現在の本殿は戦国時代の筑後国柳川城主の蒲池鑑盛の再建によるものであり、本殿と石造五重塔は国の重要文化財に指定されている。

御神木に白鷺の樟がある。少童命の化身である白鷺が止まったとされる、樹齢約2000年、幹回り8メートル余、四方に張った枝の長さは20-30メートル。幹には大人2-3人は入れる程の空洞があるが、樹勢は益々盛ん。

境内社としては、松風稲荷神社、岩藤稲荷神社、月読神社、天満神社、祇園社、薬師社、梅宮がある。また当宮外苑の一隅に阿曇磯良丸を祀る磯良丸神社がある。今日船名に「××丸」と丸を附するのは磯良丸の丸に起因するものとされ、この神社はその起源と言える。

磯良丸神社の傍には磯良塚と呼ばれる石塚がある。別名「たもと石」。神功皇后が三韓から帰還の折、袂に入れて持ち帰ったものが、年を経て巨大化したと伝えられ、「年毎に増大する」のは商業繁昌を意味すると言われ、信仰されている。

例祭は2月9日より3日間。大祭、おふろうさんまつりとも。当宮を含め、久留米市の高良大社水天宮という筑後三社の三大祭りの一つ。大祭の3日間は潮井まいり、御神幸、流鏑馬などの古式豊かな神事がくり拡げられる。

特に当宮の流鏑馬は有名で、江戸期から伝わるもの。藩主参列の下、当宮参道馬場において奉納されていたもので、頭には藁で作ったかぶりものに五色の御幣を取り付け、手作りの竹で作った弓矢を使って参道を三回走りぬける奉納神事である。

旧暦4月1日には、沖詣り海神祭がある。

【ご利益】
勝運、海上・交通安全、海産豊漁など(公式HP
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風浪宮の御朱印