新宿歌舞伎町に鎮座する、「鬼王」の名を持つ日本唯一の除災招福の神
[住所]東京都新宿区歌舞伎町2-17-5
[電話]03-3200-2904

稲荷鬼王神社(いなりきおうじんじゃ)は、東京都新宿区歌舞伎町にある神社。近代社格では村社。参拝すれば、当社の他、新宿山ノ手七福神の「恵比寿神」の御朱印を頂ける。

大久保村の氏神であった稲荷神(承応2年(1653年)創建)と、宝暦2年(1752年)に熊野から勧請されていた鬼王権現を、天保2年(1831年)に合祀した。

熊野の鬼王権現は現存していないため、「鬼王」の名を持つ日本唯一の神社となっている。

御祭神は、稲荷神の宇迦之御魂神、鬼王権現の月夜見命大物主命天手力男命

また、大久保村が祀っていた神々(火産霊神など)も明治時代に合祀されている。神社の名前から誤解されやすいが、「鬼」を御祭神としているわけではない。

しかし、節分における豆まきでは、鬼を春の神として、「福は内、鬼は内」を唱える。

全国唯一の鬼の福授けの社として信仰を集め、「撫で守り」の授与で有名である。

豆腐を献納し、治るまで本人あるいは代理の者が豆腐断ちをし、患部をこの撫で守りで祈願しつつ撫でる、皮膚病・その他病気平癒にご利益がある。

「鬼王」という奇妙である意味不吉な名の神社の勧請において、当時地元に抵抗がなかったことについて、幼名を「外都鬼王」「鬼王丸」といった平将門との関連が指摘される。

鬼を切った鬼切丸という刀が奉納されていたとも。当社創建のはるか以前より、一帯は地元の聖地となっていたことは間違いない。

境内社として、三島神社がある。御祭神は事代主命。恵比寿神として、新宿山ノ手七福神の一つ。

毎年10月19・20日の大祭「恵比寿祭」では、境内にべったら漬を売る露天などが並び賑わう。この祭りでべったら漬を買うと金運が付くといわれており、「べったら祭」とも呼ばれる。

また、浅間神社もある。明治27年(1894年)に一旦合祀したが、昭和5年(1930年)に境内社として再興したもの。

その際、富士塚(西久保の厄除け富士)も造成された。当社はその頂上に鎮座する。御祭神は木花開夜昆売命

水鉢は、江戸時代の造立とされる、石造の水鉢。しゃがんだ鬼の頭に、鬼より大きな手水鉢を乗せた姿をしている。

伝承によると、毎晩この水鉢から水を浴びるような音がするため、持ち主が切りつけたところ、病気や災難に見舞われ、神社に奉納したものであるという。

切りつけた跡らしきものが残る。区指定有形文化財。

例祭は9月18日。その前後の土日に縁日及び、神輿渡御。この大祭で担がれる宮御輿は、除災招福の鬼面が彫られた、全国的にも珍しいものである。

加門七海『平将門は神になれたか』(文庫版は『平将門魔方陣』)において、江戸における平将門ゆかりの神社が、一種の魔方陣として配置されているとの指摘があるが、当社は、その中で北斗七星の輔星として、摩多羅神を象徴しているとされる。

【ご利益】
家運興隆、商売繁盛、除災招福、厄除け、病気平癒など
稲荷鬼王神社 - 新宿歌舞伎町に鎮座する、「鬼王」の名を持つ日本唯一の除災招福の神
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鬼王神社の御朱印20151031