朝鮮通信使は絶対に「世界遺産本来の前向きなもの」にならない、危険な罠に嵌らないために
朝鮮通信使は、ある意味では極めて危険です。

と、当サイトではすでに発表しています(朝鮮通信使は第二の慰安婦問題)。

両国に横たわるものの中で、世界遺産のイチャモン問題、慰安婦、竹島、靖国……こうしたものには、「ああ、それか」とすぐにマイナスの方に思考が向くので、ある意味健全であり、もう面と向かって一つ一つ撃破していくしかない、という割り切りもできます。

では、朝鮮通信使は? 両国とも、すぐにはマイナス面に気が付かない。

これが危ない。

身構える度合いが少ない朝鮮通信使ほど、日韓の認識がある意味で大幅にずれているものはないのです。

だから、朝鮮通信使を両国共同で世界記憶遺産に登録しよう、などと安直に考えることになります。

これをやってしまうと、韓国のこと、「ああ、日本は韓国の朝鮮通信使に対する認識を認めた」と、開き直り、また歴史が歪められていくきっかけになること間違いなし。
朝鮮通信使の関連資料を、日韓が協力して国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に登録しようという運動も進められている。

世界遺産を巡っては最近、日本と周辺国のあつれきを生むニュースばかりが目立つ。もしも通信使の登録が実現すれば、後世に残すべき人類共通の遺産という世界遺産本来の前向きなものになるはずだ。

朝鮮通信使の歴史は、負の遺産を乗り越えて友好関係を築こうとする先人の努力に支えられてきた。その精神を今日に引き継ぎたい。

社説:新朝鮮通信使 日韓駆ける両輪の涼風(2015年10月30日付毎日新聞)
とうとう大手メディアも言い始めました。非常に危険です。

詳しくは前稿に譲りますが、ここではポイントだけ。

韓国にとって、朝鮮通信使は、バカな日本に恩恵を施そう、未開な蛮族の日本人の蒙を啓こう、というものだった、のであり、今、韓国は自国の小中学生にリアルタイムで「“倭”を啓蒙するのに資した」と教えているのです。

お人好しの日本人が考える、日韓友好の証、でも何でもない。

いくら秀吉の唐入りの後だからと言って、江戸期前後の日本を“倭”と、年端もいかない自国の学生に教え込んでいるのだから、もう、これは敵国に対する洗脳教育以外の何物でもないわけです。

そして、日本側から見れば、当時の幕府にとって、朝鮮通信使は、蛮夷の朝鮮による朝貢、としてとらえてきたのは間違いありません。自身の徳を慕って遠方からやって来る蛮夷は大歓待するのが、本家の中国はじめ、東アジアではもう数千年来の伝統です。

客観的にはどうだったか、と言えば、朝鮮通信使は徳川新将軍の誕生を祝う、というのが原則的な趣旨なので、使節を派遣してその新王を慶賀する、というのはもう、下位者(朝鮮)・上位者(徳川家)の根本図式は動かしがたい事実です。

だからどうだ、ということでも何でもなく、要は歴史上よくあるお互いどっちもどっちなわけですが、これを現在、やみくもに美化してはいけない。

そして問題は、韓国側の朝鮮通信使に対する認識。歴史の事実を覆い隠して、自分勝手な主張をする、まあ、いつもの方法であり、しかもその認識は、戦後日本に対する韓国の、一貫した態度と同じ、というか、その継承だという点。

韓国が朝鮮通信使を推す、ということは、韓国側は日本との真の意味での平等対等な友好関係の構築など当然考えていませんよ、という、改めての主張ととらえた方が良いぐらいです。

「韓国との友好善隣」、日本にとって、ホントに急ぐ必要があることなのか?

朝鮮通信使という、表面上何も問題ないように感じられるものを持ち出して、お人好し日本をコテンパにしようと、今、韓国は画策している、というのが実情なのではないでしょうか。

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