万葉歌人・山部赤人が創建した寺と隣接、終焉地の赤人の廟
[住所]滋賀県東近江市下麻生町214
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山部神社(やまべじんじゃ)は、滋賀県東近江市下麻生町にある神社。御祭神は万葉歌人として知られる山部赤人。時に和歌三神とされる。赤人の創建と伝わる赤人寺に隣接する。御朱印の有無は不明。

赤人が若い頃、「汝は我が生まれ変わり」との夢のお告げにより、田子の浦から一寸八分の如意輪観音を念持仏として迎え、歌道に霊験を得た。

壮年となり、蒲生野へ遊歴、木に掛けた冠がはずれなくなって一夜を過ごしたところ、再び「この地こそ仏法興隆の勝地なり。この地に安置すべし」との夢のお告げを受けた。

そうして創建されたのが赤人寺であり、元正天皇より「養老山」の勅額を賜った。赤人は観世音を護持してこの地で生涯を閉じたと伝えられている。

赤人寺は「しゃくにんじ」「あかひとでら」とも読まれる。

境内には今も赤人桜が残る。別名を「冠かけの桜」と呼び、赤人がこの地に赤人寺を創建するきっかけとなった、冠が外れなくなった木とされる。

国の重要文化財に指定されている文保2年(1318年)の七重石塔は、赤人供養塔とされ、赤人塔とも呼ばれる。高さ2.1メートル。

もともとの本尊は赤人の念持仏である如意輪観音だが、現存する本尊は、室町時代の永正15年(1518年)、彦根の仏師作の木像如意観音菩薩坐像。

当社は赤人の廟とされ、江戸時代には小松大明神と称され、松の木を神木とする産土神であったと言う。平安時代末からの数多くの寄進状、いわゆる山部神社文書63点(市指定文化財)や、古鏡四面、室町時代の掛仏三面などがある。

明治9年(1876年)に現社号に改称。当社境内には赤人の代表作とも言うべき、下記の二つの歌碑がある。
春野の 寿みれ摘みにと こし我は野をなつかしみ 一夜寝た計る
田子の浦ゆ うち出てみればま白にぞ 富士の高嶺に 雪はふりける
【ご利益】
和歌、文芸、学問
山部神社(東近江市) - 万葉歌人・山部赤人が創建した寺と隣接、終焉地の赤人の廟
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