3年に一度の奇祭「帯祭り」、三女神を祀る女性や子どもの守護神
[住所]静岡県島田市大井町2316
[電話]0547-35-2228

大井神社(島田市)(おおいじんじゃ)は、静岡県島田市大井町2316にある神社。近代社格では県社、現在は神社本庁の別表神社。大井川の神霊を祀る神社で、3年に一度行う「帯祭り」で知られる。参拝すれば、御朱印を頂ける。

御祭神は、水の神である弥都波能売神(みづはのめのかみ)、土の神である波邇夜須比売神(はにやすひめのかみ)、日の神である天照皇大神(あまてらすすめおおみかみ)。

創建は不詳。国史では、貞観7年(865年)に駿河国の「大井神」の神階が従五位下に昇叙された旨の記事がある。しかし『延喜式神名帳』には記載がないため、いわゆる国史見在社にあたる。神名帳には志太郡条が欠落しているという指摘もある。

また『駿河国内神名帳』では、志太郡に「大井天神」の神名で正五位下の神階を有する旨とともに記載されている。

流着伝説が残されており、元は大井川上流の谷畠村の大沢(現 榛原郡川根本町)に祀られていたが、建治2年(1276年)の洪水で流されて島田に漂着し、以後は島田の下島(現在の御旅所の地)に祀られるようになったという。

この元宮伝承地である大沢地区では、現在までに「大井神社旧社跡」碑が建てられている。ただし元宮伝承地は大沢地区の他にも数ヶ所ある。

大井川は農耕に欠かせない一方で洪水も繰り返したことから、流域では大井川に対する信仰が深く、流域には「大井神社」が50社以上も分布する。当社はそれらの中で中心的な存在になる。

江戸時代、慶長9年(1604年)には大井川の堤防決壊により野田村の御手水ヶ谷に一時遷座したが、元和元年(1615年)に下島に戻った。さらに元禄2年(1689年)には、島田宿の発展に伴い現在地に遷座した。

社領としては、今川氏真から若干の朱印地が寄せられた他、徳川氏の時に除地5畝9歩があったという。

宝永5年(1708年)7月2日に正一位に進み、正一位大井大明神と奉称され、さらに嘉永7年(1854年)7月15日、称号を勅宣正一位大井神社と改めた。

明治維新後、明治8年(1875年)に郷社に列し、明治41年(1908年)に県社に昇格。県社昇格を記念して、現在でも8月1日に夏祭り(七夕祭り)が行われる。戦後、昭和41年(1966年)に神社本庁の別表神社に加えられた。

例祭は10月15日。元禄8年(1695年)に始まると伝えられる「帯祭り(おびまつり、帯祭)」または「島田の帯祭り」は現在、3年に1度(寅年・巳年・申年・亥年)の10月中旬の3日間に行われる。

帯祭りでは、特に最終日の神輿渡御神事の際の大名行列が知られる。この行列は元禄絵巻さながらで、大奴が安産祈願の帯を木太刀に下げて練り歩く(「帯祭り」の由来)ほか、疫病退散を願う鹿島踊り、子供が長唄に合わせて歌舞伎踊りを披露する屋台などが付く。

祭りの間、島田市の中心部は七つの街(がい)に分けられ、1-5街では屋台を中心とした長唄祭り、6街では鹿島踊り、7街では大名行列と大奴の練り歩きを行う。

この帯祭りは、日本三大奇祭の一つに数えられることもある。また大名行列・鹿島踊りは、「島田帯祭の大名行列」「島田鹿島踊」としてそれぞれ静岡県指定無形民俗文化財に指定されている。

また、日本海軍の軽巡洋艦「大井」の艦内神社に分祀していた。艦艇を擬人化したキャラクタである艦娘(かんむす)を強化・育成、正体不明の敵艦を撃破していくゲーム・アニメ『艦これ』ゆかり。

境内には、大井天満宮(御祭神:菅原道真公、例祭:10月25日)、春日神社(祭神:健御賀豆智命伊波比主命ほか9柱、例祭:6月上旬)、大井恵比寿神社(御祭神:大国主命事代主命、例祭:11月19日)、祓戸神社(御祭神:祓戸四神、例祭:5月5日)、静霊神社(御祭神:島田市出身の英霊1950余柱、例祭:4月15日)がある。

【ご利益】
安産の神、女性や子どもの守護神、お清めの神、旅行・交通安全など(公式HP
大井神社(島田市) - 3年に一度の奇祭「帯祭り」、三女神を祀る女性や子どもの守護神
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大井神社(島田市)の御朱印
大井 - Wikipedia
『艦これ』大井