珠姫ゆかりの金沢五社、「春日さん」と親しまれる式内の古社
小坂神社(石川県金沢市山の上町42-1)
[住所]石川県金沢市山ノ上町42-1
[電話]076-252-7891

小坂神社(金沢市)(こさかじんじゃ、小阪神社)は、石川県金沢市山の上町にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「神田神社(加賀国・加賀郡)」に比定される式内社(小社)の論社。金沢五社の一社。近代社格では県社

御祭神は、経津主神・天児屋根命・比咩大神・武甕槌神木花咲屋姫命饒速日命大山祇神を配祀し、少名彦名命を合祀する。

小坂庄の総社であり、この地方一帯が奈良の春日大社の社領であった関係で、当社でも春日神を祀っている。そのため昔から「春日さん」として親しまれている。

創祀は養老元年(717年)4月。一部に720年の記載も見える。

文明年間(1469年-1487年)の一揆により社殿をことごとく焼失し、寛永13年(1636年)、郷民が現在の社地に社殿を再興したとも、加賀藩主前田利常が再興したとも伝わる。

以来、金沢北郊鎮護の大社として藩主前田家はもとよリ、衆庶の尊信をあつめ、年とともに社運の隆昌を加えた。

近世の金沢をはじめとする加賀地方の神辻は神仏の混淆が特に著しく、その多くは社僧山伏などによって奉仕されたが、当社は金沢五社として、一貫して神職によって奉仕された。

現在の本殿は、貞享5年(1688年)に再建されたことが、当社文書に記され、向拝の虹梁形頭貫、海老虹梁に見られる細部意匠には、17世紀の様式が色濃く残る。市の有形文化財に指定されている。

境内社として冨士社、菅原社、稲荷社、鳴滝社がある、このうち富士社は利常の正室である珠姫(玉姫)の病気祈願所とされ、衆庶の崇敬は特に厚く、脚の病に霊験ありと信じられてきた。

また鳴滝社は、清滝権現といわれ、享保13年(1728年)の縁起には、源義経が奥州下行の時、ここで武蔵坊弁慶が「鳴るは滝の水」の舞曲を奏したとしている。

金沢五社は、当社の他、宇多須神社神明宮椿原天満宮安江八幡宮であり、この五社全てを参ることを「五社参り」と言い、盛んに行われた。

なお、式内社「神田神社」の論社は他に、市内田上本町の少名彦神社と、神田の式内同名神社がある。

【ご利益】
家内・地域安全、外交・交渉成就、縁結び、病気平癒
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