菅原道真生誕地の伝承がある、菅原家の吉祥天信仰が発祥の菅公聖蹟
[住所]京都府京都市南区西大路十条西入ル北 吉祥院政所町3
[電話]075-691-5303

吉祥院天満宮(きっしょういんてんまんぐう)は、京都府京都市南区にある神社。近代社格では村社。菅公聖蹟二十五拝の第4番。天満宮と吉祥院(吉祥天女社)がある。参拝すれば、双方の御朱印が頂ける。京都十六社朱印めぐり西大路七福社の一社。

主祭神は菅原道真公で、由来によると京都市上京区の北野天満宮より早い承平4年(934年)に創建された初の天満宮とされる。

菅原家が信仰する吉祥天を祀る吉祥院を邸内に建立して氏寺とし、道真生誕の地とされる。生誕の地には異説もある。

道真の曽祖父・土師古人(はぜのふるひと)が平安遷都に際し天皇の供として入京し賜った地でここに邸を構えた。祖父の代に菅原へ改姓。

祖父・菅原清公が遣唐使として唐へ向かう途上(もしくは帰国時)、嵐に遭遇しながらも吉祥天女の霊験により難を逃れ、以降菅原家では吉祥天が信仰された。

清公が帰国後もしくは道真の父・菅原是善が、この地の自邸内に祀り吉祥院とした。これが地名の由来ともなる。

道真はこの地で承和12年(845年)に誕生し、18歳で転居するまでこの地で過ごしたとされる。延喜3年(903年)に道真が大宰府の地で没した後、この地で吉祥院聖廟を置き、その霊を祀る。

その後、怨霊鎮魂のために朱雀天皇勅願により、承平4年(934年)この地に社殿を築くなどして道真の霊を祀ったことが始まりとなる。

吉祥院では、吉祥天女、菅原清公卿、菅原是善卿、観世音菩薩、薬師如来、伝教大師、孔子を祀る。

境内には、白太夫社(御祭神:渡会春彦翁。伊勢の神宮(伊勢神宮)の宮司で道真の守り役を務めた)、松梅社、吉野社、琴比羅社(御祭神:琴比羅大神)、秋葉山(御祭神:秋葉大神)の五社と、稲荷社(御祭神:正一位 春房稲荷大明神)があり、境外社として、弁財天社がある。

道真の臍の緒を埋めたと伝わる胞衣塚(えなづか)、道真が少年時代、習字に使ったと伝わる硯之水、弁財天社境内にあり、道真公が参朝の際に顔を映したという鑑(かがみ)の井がある。

また、近世の京都で盛んになった天神信仰により、徐々に構成されていったと思われる、洛陽天満宮二十五社順拝の一社でもある。

洛陽七天神 - 北野天満宮所蔵『記録』(1699年)
洛陽順参二十五ケ所 - 『都すゞめ案内者』(1708年ごろ)
洛陽二十五社順拝 - 北野天満宮所蔵『日記』(1823年)

以上のいずれにも記載されており、北野天満宮などとともに、近世京都の天神信仰の中心地になっていたとみられる。

例祭は10月13日、あるいはその付近の日曜日で秋祭。湯立神楽が奉納され、火焚神事が斎行される。4月25日が春季大祭で、8月25日が夏季大祭。吉祥院六斎念仏が奉納される。6月1日が雷除祭、6月25日が菅公御誕辰祭。

わら天神宮平野神社熊野神社衣笠分社大将軍八神社西院春日神社若一神社とともに、西大路七福社の一社で、毎年1月-2月にご利益巡りが開催される。

【ご利益】
厄祓い、出世、学問・学業成就、財運
吉祥院天満宮 - 菅原道真生誕地の伝承がある、菅原家の吉祥天信仰が発祥の菅公聖蹟
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吉祥院天満宮の御朱印