十返舎一九『菅神御一代文章』の天満宮7社(計13社)、江戸二十五天神
東都七天神 - 十返舎一九『菅神御一代文章』の天満宮7社(計13社)、江戸二十五天神
東都七天神とは、十返舎一九が著した『菅神御一代文章』に記載のある江戸の有力な天神・天満宮7社である。江戸二十五天神の形成に寄与した一覧の一つと考えられる。『菅神御一代文章』は文政6年(1823年)に刊行された往来もの。

よく言われる「江戸二十五天神」は、そのものズバリの文献はない。江戸中後期から、特に「菅公九百年忌」、つまり享和2年(1802年)前後から明治期にかけて盛んに言われ始めた、菅原道真を御祭神とする天神・天満宮の巡拝の一覧と考えられるだろう。『菅神御一代文章』を除けば、主に下記のものがある。

東都御府内天満宮諸社(『菅丞相往来』)
『武陽菅原詣』収録の天神
東都二十五天神(『卯花園漫録』)
府内天神(『江戸拾葉』)
菅祠二十五社(『霊神仏之記』)
御内府及び御内府近辺二十五天神(『天満宮御伝記略』)
東京天満宮二十五社(『菅原大神千年大祭図会』)

東都七天神は、7社がすべて現存しており、参拝できるのが特徴と言える。なお、『菅神御一代文章』において、一九は付記として、以下の六つを挙げており、計13社を列挙したことになる。

・高田……水稲荷神社の境内社北野神社
・萱野梅ぞの……幸稲荷神社に合祀された茅野天満宮
・本郷……櫻木神社(櫻木天神)
・かやば町 山王たび所…日枝神社日本橋摂社
・浅草馬道……現存せず(善竜院、台東区浅草2-31-3)
・麻生いさらご……現存せず(如来寺、港区高輪2-12-58付近)

NO.1 本所 亀井戸 亀戸天神社

亀戸天神社 - 江戸期に創建された東の太宰府天満宮、東京の学問の神様最高峰の一社
[説明]江戸三大天神関東三大天神
[住所]江東区亀戸3丁目6番1号
[電話]03-3681-0010

NO.2 湯島 湯島天満宮

湯島天満宮 - 東京最強の学問の神様、元はアメノタヂカラオを祀り、後に合祀
[説明]江戸三大天神関東三大天神
[住所]文京区湯島3丁目30番1号
[電話]03-3836-0753

NO.3 平河 糀町 平河天満宮

平河天満宮 - “宮城に一番近い神社”湯島・亀戸と比肩する、江戸を代表する平河天神
[説明]江戸三大天神
[住所]千代田区平河町1丁目7-5
[電話]03-3264-3365

NO.4 牛天神 小石川 牛天神北野神社

北野神社(文京区) - 牛天神、頼朝も吉事に授かる、撫で牛を撫でると願い事が叶う!
[説明]撫で牛を撫でると願い事が叶う
[住所]文京区春日1丁目5-2
[電話]03-3812-1862

NO.5 大久保 大くぼ 西向天神社

西向天神社 - 東大久保村の鎮守社、大久保の天満宮として知られる、江戸期の有力天神
[説明]東大久保村の鎮守社
[住所]新宿区新宿6-21-1
[電話]03-3351-5875

NO.6 五條 下谷山下 五條天神社

五條天神社 - ヤマトタケル創建の医薬祖神、3年に一度の大神輿渡御がある、下谷天神
[説明]ヤマトタケル創建の医薬祖神
[住所]台東区上野公園4-17
[電話]03-3823-2034

NO.7 芦屋天神 千住大橋向 関屋天満宮

氷川神社(千住仲町) - 東都七福神の関屋天満宮、千住七福神の弁財天、5年に一度の大祭
[説明]氷川神社(千住仲町)の境内社
[住所]足立区千住仲町48-2
[電話]03-3881-5271

【参考文献】
・中川和明「天神信仰の地域的展開-江戸・東京の天満宮巡拝を例に-」 - 『日本宗教文化史研究』(第18巻2号 通巻36号、2014年11月)

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