読み:だいぜんじほんどう
員数:1棟
種別:建造物の部 近世以前/寺院
時代:鎌倉後期 弘安9年(1286年)
重文:1907.08.28(明治40.08.28)
国宝:1955.06.22(昭和30.06.22)
都道府県:山梨県
所在地:甲州市勝沼町
所有者:大善寺
管理者:-

「ぶどう寺」大善寺の本堂は、薬師堂とも呼ばれ、寄棟造、檜皮葺。鎌倉時代の本格的密教仏堂で、内部の柱に弘安9年(1286年)の刻銘がある。鎌倉幕府第九代執権の北条貞時による再建とされる。

山梨県で最も古い建物であり、関東で最古の木造建築物。屋根は寄棟造(正面から見た屋根形が台形を呈する)であるが、大棟(台形の上辺に当たる部分)が極端に短いのが特色である。

ただし、この屋根形式は江戸時代の修理によるもので、建築当初からこのような形であったかどうかは定かでない。

堂内の厨子は堂よりやや遅れて文和4年(1355年)の作で、附たりとして国宝に指定されている。

厨子の中に納められている「薬師如来像」と「日光・月光菩薩像」は秘仏で、普段は拝むことはできないが、5年に一度御開帳がある。

薬師如来像は、頭部胴体とも奥行きが深く、両肩は肉つき豊かで、下腹部は突出し、緊満した姿態は一木造りの特有の量感を示している。

厨子の両脇に日光・月光菩薩像と十二神将立像は、鎌倉時代の蓮慶作として、国の重要文化財となっている。
国宝「大善寺本堂」(山梨県甲州市)