読み:みょうつうじさんじゅうのとう
員数:1棟
種別:建造物の部 近世以前/寺院
時代:鎌倉前期 文永7年(1270年)
重文:1917.08.13(大正6.08.13)
国宝:1953.11.14(昭和28.11.14)
都道府県:福井県
所在地:小浜市門前
所有者:明通寺
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明通寺は、大同元年(806年)の創建と伝わる古刹で、三重塔は文永7年(1270年)に建立されたものである。

明治時代に屋根が柿葺から桟瓦葺に改められているものの、全体に保存状態がよく、鎌倉時代の均整の取れた仏塔の姿をよく留めている。

初層平面方三間(4.18メートル)、総高22.12メートル、桧皮葺木造三重塔婆。全体的なバランスの良さや組ものの精密さなどから、高度な建築技術を駆使しており、国内でも鎌倉建築を代表する建造物。

和様を基調としているが、初層に拳鼻(こぶしばな、部材の末端部に拳状の装飾彫刻を施したもの)を用いる点に大仏様の要素が現れており、塔に拳鼻を用いた最古例とされている。

初層内部は四天柱(仏壇を囲む4本の柱)が立ち、釈迦三尊像と阿弥陀三尊像を安置して仏堂風の扱いとする(心柱は初層天井裏から立つ)。

建立当初のものではないが、柱や壁には十二天などの絵画がある。

なお、明通寺は本堂も国宝に指定されている。
国宝「明通寺三重塔」(福井県小浜市)