読み:ずいがんじくりおよびろうか
員数:2棟
種別:建造物の部 近世以前/寺院
時代:桃山 慶長14頃年(1609頃年)
重文:1903.04.15(明治36.04.15)
国宝:1959.06.27(昭和34.06.27)
都道府県:宮城県
所在地:宮城郡松島町松島
所有者:瑞巖寺
管理者:-

瑞巖寺の庫裏は、本堂の向かって右手前、東北の位置にあって、矩折りになった廊下で本堂と結ばれている。

東面に入り口がある。当初は庫裏の背後に小庫裏があった。この庫裏は、本堂とともに伊達政宗によって再興された建物で、同じ慶長14年(1609年)に竣工している。

庫裏の規模は、梁行七間、桁行十二間で、北面の西側に五間に一間の縁、東側に四間に二間の炊事場の張り出しを設けている。

屋根は切妻造本瓦葺で、棟の上の東寄りに腰屋根をのせ、北側には張り出し部の銅板葺の差しかけ屋根がついている。入り口に差しかけた屋根は、桟瓦葺である。

正面の東妻は、三段に重ねた花肘木のある束や左右の二段の海老虹梁、虹梁の上の大瓶束の両側の唐草の笈形で飾られている。

入り口の内は四半敷で、その西が板敷の広間である。四半敷の北は炊事場で、その一部に典座寮がある。南側には紀綱寮と副寺(ふうす)寮がある。

広間の西の四間に六間は畳敷で、二十四畳の食堂、十二畳の知客(しか)寮、八畳の椀頭寮、四畳の眠蔵(みんぞう)に分かれている。

典座寮・副寺寮・知客寮に棹縁天井、紀綱寮・食堂に根太天井を張るほかは屋根裏をみせている。根太天井の上は物置である。

古図によって入り口の四半敷は紀綱寮を含んで南まで広がり、四半敷の北面には大竈が並んでいたことがわかっているが、昭和33年(1958年)の修理では復元されなかった。
国宝「瑞巖寺庫裏及び廊下」(宮城県宮城郡松島町)