読み:かもすじんじゃほんでん
員数:1棟
種別:建造物の部 近世以前/神社
時代:桃山 天正11年(1583年)
重文:1900.04.07(明治33.04.07)
国宝:1952.03.29(昭和27.03.29)
都道府県:島根県
所在地:松江市大庭町
所有者:神魂神社
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神魂神社の本殿は、天正11年(1583年)の再建であって、出雲国(島根県東半部)にのみ分布する大社造のなかの最古の遺構である。

出雲大社本殿によく似ているが、三間四方の建物は四丈の高さ。総体の規模はこちらの方が小さく、また梁行に対して桁行がやや長い。

柱が太く、また床高が床上の壁の高さよりもやや高いのは、出雲大社本殿とは逆の比例を示しており、大社造の古い形式を伝えるものであろう。

また正面と背面の中央柱が、壁からかなり外に出て立っているのが目立つ。この柱は棟持柱であって、古くは伊勢の神宮(伊勢神宮)と同様に壁から離れていた可能性のあることをうかがわせる。

階段は出雲大社本殿と同様、正面向かって右につくが、中心柱の脇の板壁および内殿の位置と向きは、出雲大社とは逆の関係にある。

殿内の軸部を丹塗(にぬり)とし、鏡天井に八雲、中央の梁に竜と雲を描き、また正面扉の内側には舞楽の図がある。

千木の先端が水平で、本殿内の左側から右向きに御神体を安置しているのも独特である。
国宝神魂神社本殿
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