読み:さくらいじんじゃはいでん
員数:1棟
種別:建造物の部 近世以前/神社
時代:鎌倉後期 1275年-1332年
重文:1917.04.05(大正6.04.05)
国宝:1953.11.14(昭和28.11.14)
都道府県:大阪府
所在地:大阪府堺市南区片蔵
所有者:桜井神社
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桜井神社(櫻井神社)の拝殿は、鎌倉中期の建築で、二重虹梁蟇股という架構法、内部中央を土間の馬道とする割拝殿になっている。

桁行五間、梁間三間、一重、切妻造、本瓦葺(背面向拝を除く)。

パット見た目の赤色が印象的だが、まず屋根が瓦で葺かれていること。神社建築において屋根に瓦を葺く例は稀有であり、その点からも貴重。

朱塗りの大小2本の虹梁が上下に平行して並べられ、大虹梁の上には蟇股を置き、その上に小虹梁が乗せ、小虹梁の上にも蟇股を置く。

鎌倉時代に中国から伝来してきた、当時としては最も新しい建築様式としての桟唐戸も取り入れている。

しかし最も特徴的なのは、割拝殿の形式。そもそも日本に現存しているものが少ない形式の上に、本件は石上神宮の摂社である出雲建雄神社の拝殿と並んで、最も古い遺構となっている。

ただし、建物の周囲にはかつて縁が巡らされていた痕跡が残り、また馬道部分も元は床が張られていたと考えられている。つまりもともとは割拝殿ではなかった。それがいつ、なぜ割拝殿になったのかは今のところ不明。
国宝「桜井神社拝殿」(大阪府堺市南区)
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