読み:とうしょうぐうほんでん、いしのまおよびはいでん
員数:1棟
種別:建造物の部 近世以前/神社
時代:江戸前期 寛永13年(1636年)
重文:1908.08.01(明治41.08.01)
国宝:1951.06.09(昭和26.06.09)
都道府県:栃木県
所在地:日光市山内
所有者:東照宮
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日光東照宮の本殿・石の間・拝殿は御本社(ごほんしゃ)と呼ばれ、東照宮の最も重要なところ。例祭をはじめ、年中の祭典が斎行される。また拝殿左右には、「将軍着座の間」・「法親王着座の間」がある。

本殿の屋根は入母屋造で、千木・勝男木が載っている。屋根下の尾垂木は獏の彫刻。柱・長押などの軸部は、すべて地紋彫が施され、胡粉で白く塗られている。

側面の後部と背面の大羽目には、狩野探幽の描いた唐獅子の絵がある。周囲には迴縁がめぐらされているが、側面と背面は天女奏楽の彫刻をはめ込んだ脇障子で仕切られている。

土台の部分は亀腹石と呼ばれ、華崗岩で造られた基壇。これは元禄年間(1688年-1704年)の大修理の時に据えられた。ここまでは外から見ることができる。

本殿は「外陣(幣殿)」「内陣」「内々陣」の三室に分かれている。

外陣の天井は格天井で、122の格間には鳳凰が描かれている。内陣は、最奥の内々陣をコの字型に囲んでいる。欄間などの彫刻は、すべて花鳥を主題としたものだが、特に内々陣側は、鷹の彫刻が施されている。

内々陣の内部には、御空殿と呼ばれる神座があり、この御空殿こそ、東照宮の中で最高の建築とされる。

石の間は、本殿と拝殿をつなぐ一段低い部屋。二つの社殿を結ぶ石の廊下が発達した形式のためこの名が付いた。権現造の特徴の一つ。

拝殿との境は二本の柱があるだけで、御簾がさがっている。本殿に至る階段は、真鍮板が張ってある。

部屋の両側は中央に扉を設け、その左右は立湧の彫刻を入れた華灯窓、扉の上の欄間は、輪つなぎの透し彫りがはめ込まれていて、朝・夕の陽差しを受けると、ステンドグラスの様な美しい光の模様が見られる。

天井は拝殿と同じく、折上格天井と呼ばれる構造。格間に1羽ずつ描かれている鳥は、「宝暦結構書」には錦花鳥とあり、「鸞」のこととされる。

拝殿の構造は、屋根は入母屋造で正面に千鳥破風が付き、正面の向拝は軒が唐破風。豪壮な造りで、柱や粱などにも地紋彫が施され、細部に至るまでおびただしい数の彫刻や絵画、極彩色の文様で埋め尽くされている。

外部から見える彫刻では、唐破風下には家康の干支にちなんで虎。向拝を支える左右の海老虹梁は、6メートルもある1本の龍の丸彫。柱の頭貫は龍・息の頭。千鳥破風内には2羽の鶴。東西の入母屋の妻飾りは波に犀。

日光東照宮では他に、建造物の部で、正面及び背面唐門2棟東西透塀2棟陽明門東西廻廊2棟が国宝に指定されている。美術工芸品では、太刀 銘助真、太刀 銘国宗が国宝指定を受けている。世界文化遺産「日光の社寺」の構成資産の一つ。
国宝「東照宮本殿、石の間及び拝殿」(栃木県日光市山内)
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