国宝「菅公遺品」が伝わる、菅原道真も「故郷」と詠んだ、梅の名称
[住所]大阪府藤井寺市道明寺1-16-40
[電話]072-953-2525

道明寺天満宮(どうみょうじてんまんぐう)は、大阪府藤井寺市道明寺にある神社。参拝すれば、「菅原大神」と大書された御朱印を頂ける。当社に関係の深い梅をあしらったオリジナル御朱印帳がある。

近代社格では郷社。神仏霊場巡拝の道58番(大阪17番)。菅公聖蹟二十五拝の第8番。

御祭神は菅原道真公、天穂日命と、道真のおばに当たる覚寿尼公。隣接して道明寺という真言宗の尼寺がある。

この地は、菅原氏・土師氏の祖先に当たり、相撲の始祖として知られる野見宿禰の所領地で、野見宿禰の遠祖である天穂日命を祀る土師神社があった。創建は第11代垂仁天皇32年とも伝わる。

仏教伝来後、土師氏の氏寺である土師寺が建立された。伝承では聖徳太子の発願により土師八島がその邸を寄進して寺としたという。

平安時代、土師寺には道真のおばである覚寿尼が住んでおり、道真も時々この寺を訪れ、この寺のことを「故郷」と詠んだ詩もある。

延喜元年(901年)、大宰府に左遷される途中にも立ち寄って、覚寿尼との別れを惜しんだ。道真公遺愛の品と伝える硯、鏡等が神宝として伝わり、6点が「菅公遺品」として国宝の指定を受けている。

天暦元年(947年)、道真自刻と伝える十一面観音像を祀り、土師寺を道明寺に改称。道真ゆかりの地ということで、学問の神としての信仰を集めるようになった。

明治の神仏分離の際、道明寺天満宮と道明寺を分け、道明寺は道を隔てた隣の敷地に移転。現在も学問の神として地元の人々に親しまれている。また境内には80種800本の梅の木があり、梅の名所として知られている。

重要文化財として、鎌倉時代の笹散双雀鏡・笹散蒔絵鏡匣がある。

1月25日はうそかえ神事。道真が左遷先の大宰府に到着した神事の際、襲来した無数の蜂を一群のうそ鳥が飛来して蜂を食い、人々を救ったという故事による。参拝者たちが授与された「うそ鳥」の入った袋を交換しあう。

3月25日は菜種御供大祭。河内に春を告げる神事として、菜の花が供えられ稚児行列が行われる。また、梅の形をした菜種色の団子が参拝者にふるまわれる。

大宰府への左遷の詔を受けた菅原道真公が道明寺に立ち寄った際に、おばの覚寿尼公が道真公のために菜種色の団子を作った故事による。

例祭は道真の命日にあたる2月25日。梅花祭と呼ばれ、梅の花を供えて御神霊を慰める。地味ではあるが、例年この頃が梅の見頃でもあり、道真を偲ぶにはちょうど良い。

毎月25日は「天神さんの日」として骨董市が開かれる。命日の25日以外にも、道真の誕生日は6月25日と言われ、左遷の詔が出されたのも1月25日だということにちなむもの。

境内に展示している修羅(重い石材などを運搬するために用いられた木製のソリ)は、昭和53年(1978年)に三ツ塚古墳(道明寺6丁目)の出土品を西岡常一ら宮大工の手で復元したもので、同年9月3日に、実証実験に使われた。

【ご利益】
学問成就、身体壮健
道明寺天満宮 - 国宝「菅公遺品」が伝わる、菅原道真も「故郷」と詠んだ、梅の名称
【関連記事】
菅公聖蹟二十五拝 - 菅原道真や、その大宰府への左遷途上の足跡にゆかりのある神社
国宝が伝わる神社 - 所蔵、所有、由来している美術工芸品が国宝に指定されている神社
大阪府の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、大阪府に鎮座している神社の一覧
道明寺天満宮の御朱印