宇佐神宮からの勧請第一号は東大寺の守護神、紅葉の名所の山麓に鎮座
[住所]奈良県奈良市雑司町434
[電話]0742-23-4404

手向山八幡宮(たむけやまはちまんぐう)は、奈良県奈良市雑司町にある神社。国史見在社。近代社格では県社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

手向山神社とも。紅葉の名所として知られる奈良市街東部の手向山麓に鎮座する。

御祭神は、応神天皇(第15代天皇)、姫大神、仲哀天皇(第14代天皇)、神功皇后(第14代天皇の皇后)、仁徳天皇(第16代天皇)。

東大寺大仏殿前の道を東に行った正面に位置し、すぐ北には東大寺法華堂(三月堂)がある。天平勝宝元年(749年)、東大寺及び大仏を建立するにあたって、宇佐八幡宮(現 宇佐神宮)より東大寺の守護神として勧請された。

宇佐神宮からの分社では第一号である。ただし、社伝としては、愛媛県松山市の雄郡神社が第31代用明天皇元年(586年)に宇佐八幡から勧請したなどとある。

当初は平城宮南の梨原宮に鎮座し、後に東大寺大仏殿南方の鏡池付近に移座したが、治承4年(1180年)の平重衡による戦火で焼失、建長2年(1250年)に北条時頼が現在地に再建した。

当初の鎮座地とされる梨原宮の所在地は未詳だが、奈良市役所近くにある平城京左京三条二坊庭園跡庭園がその跡ともいわれる。

手向山については、『古今和歌集』の菅原道真の歌があまりにも有名。
このたびは 弊もとりあへず手向山 もみぢの錦 神のまにまに
この歌に関する伝承は、奈良市歌姫町に鎮座する添御県坐神社にもある。

創建以来、東大寺に属し、その鎮守社とされてきたが、明治の神仏分離の際に東大寺から独立した。

国宝の唐鞍があり、鎌倉時代の建立である境内社住吉社本殿はじめ、重要文化財は多数。お田植祭(2月節分)は市の無形民俗文化財に指定されている。10月5日に転害会(てがいえ)がある。

なお、境内には手水舎に水噴きの狛犬があることでも知られている。前足の下に岩があり、その岩に足をかけた後足立ちの姿勢で、口に水出し用 のパイプを咥えている。

同種の手水舎の水噴き狛犬では、古いものとして、長崎諏訪神社と鳥取市の利川神社のものがあるが、他にも、所沢市の中氷川神社、川崎市の高石神社などだけ、とも。

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手向山八幡宮 - 宇佐神宮からの勧請第一号は東大寺の守護神、紅葉の名所の山麓に鎮座
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手向山八幡宮の御朱印