天皇の寵姫が帰郷で使用した? 石清水八幡宮から贈られた国宝・神輿
[住所]和歌山県紀の川市中鞆渕58
[電話]0736-77-2511

鞆淵八幡神社(ともぶちはちまんじんじゃ)は、和歌山県紀の川市中鞆渕にある神社。近代社格は県社。国宝の神輿があり、重要文化財に指定されている本殿などがあることで知られる。御朱印の有無は不明。

御祭神は応神天皇仲哀天皇・姫大神。例祭は毎年10月15日に実施される。後述の末社含めて、神功皇后が祀られていない、珍しい八幡神社。

元は石清水八幡宮の荘園である鞆淵荘(友渕荘16ヶ村とも)の産土神を祀るために同八幡宮の別院として平安時代に創建されたと推定されている。一条天皇の寛弘5年(1008年)とも。

後堀河天皇の寵愛をうけた鶴千代姫が帰郷の際、石清水八幡宮の別宮として勧請したという。あるいは、石清水八幡宮の輿に乗って帰郷が許されたとも。

そうした伝承と関連してか、後堀河天皇の安貞2年(1228年)に石清水八幡宮から神輿が送られ、その後もこの時の仕様のものが製作・使用された。

現存の神輿、沃懸地螺鈿金銅装神輿(附:神輿奉送目録)は平安時代末から鎌倉時代初期にかけてのもので、国宝に指定されている。

弘安2年(1279年)、高野山天野大社(丹生都比売神社)とともに、大いなる御神徳があったとされ、第一回の正遷宮が行われた。以来、式年遷宮は三十数回を数えるという。

建武元年(1334年)、後醍醐天皇の勅命により、高野山領となる。南北朝から室町期、土一揆の嵐が吹き荒れた時期でも、当地の権威として存在したという。

三間社流造の本殿(寛正3年(1462年)の棟札を有する)と大日堂が重要文化財。

境内末社に、左側が高良神社(御祭神:武内宿禰)、右側が若宮神社(御祭神:仁徳天皇)、剣御前社(御祭神:千代鶴命。鶴千代姫のことか)、戎神社(御祭神:事代主大神)がある。高良社と若宮社は江戸中期(18世紀前半)の建立。

【ご利益】
五穀豊穣・商売繁盛・財運、厄除け、開運、武運長久
鞆淵八幡神社 - 天皇の寵姫が帰郷で使用した? 石清水八幡宮から贈られた国宝・神輿
【関連記事】
国宝が伝わる神社 - 所蔵、所有、由来している美術工芸品が国宝に指定されている神社
和歌山県の旧県社 | 府県社とは? - 旧県社(縣社)・旧府社、その都道府県の中で有力な神社
和歌山県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、和歌山県に鎮座している神社の一覧