市民の力で古墳の破壊を止め、日本の文化財保護運動の原点として知られる「いたすけ古墳」。保存運動から60年の節目を迎えるこの古墳を見つめ直す企画展が2015年9月5日から、堺市博物館で始まりました。「企画展 イタスケ古墳を護ろう―破壊から保存、そして世界文化遺産へ―」10月18日まで。開発で消滅した大型古墳の出土品も展示します。
堺市のいたすけ古墳は5世紀後半築造と考えられている前方後円墳。百舌鳥古墳群の一つ。百舌鳥古墳群は現在、百舌鳥・古市古墳群として、ユネスコの世界文化遺産登録を目指しています。
昭和30年(1955年)、土地開発会社が古墳内を宅地に造成する目的で、削り取った土を運ぶ橋を架ける工事をしていたのを、近くの高校教諭が発見。
文化財保護制度がまだ整っていなかった戦後間もなくにはよくある光景だったのでしょうが、ここから市民が立ち上がり、保存が決まりました。
現在、開発か保存かで議論が続けられている静岡県沼津市の高尾山古墳のケースにも通じる古墳保存の、日本における60年の歴史。その原点がこのいたすけ古墳です。
今やいたすけ古墳は狸の家族が住みつくほど、住宅地の中にあって、開発からは程遠い地域として、存在しています。古墳の保存は、自然にもやさしい、のかもしれません。
今回の展示では、
(1)昭和20年代に百舌鳥古墳群中で破壊された古墳の資料
(2)いたすけ古墳の保存運動に関する資料
(3)百舌鳥古墳群の保存・加えて世界文化遺産登録の活動を紹介
以上の三部構成になっているとのこと。主な展示は、
・七観(山)古墳出土品(京都大学総合博物館) 12点
・七観(山)古墳採集資料(個人蔵) 10点
・カトンボ山古墳出土資料(堺市博物館蔵) 6点
・城ノ山古墳出土資料(堺市博物館蔵) 8点
・城ノ山古墳出土資料(同志社大学歴史資料館) 19点
・イタスケ古墳保存運動関係資料(個人蔵) 約30点
・いたすけ古墳出土衝角付冑型埴輪(堺市指定有形文化財) 1点
・いたすけ古墳周濠水質浄化への取り組み(府立堺工科高校・パネル)
詳細はこちらから。
【関連記事】
・高尾山古墳の今後を再検討する公開協議会が始まる、古墳の重要性やこれまでの経緯
堺市のいたすけ古墳は5世紀後半築造と考えられている前方後円墳。百舌鳥古墳群の一つ。百舌鳥古墳群は現在、百舌鳥・古市古墳群として、ユネスコの世界文化遺産登録を目指しています。
昭和30年(1955年)、土地開発会社が古墳内を宅地に造成する目的で、削り取った土を運ぶ橋を架ける工事をしていたのを、近くの高校教諭が発見。
文化財保護制度がまだ整っていなかった戦後間もなくにはよくある光景だったのでしょうが、ここから市民が立ち上がり、保存が決まりました。
現在、開発か保存かで議論が続けられている静岡県沼津市の高尾山古墳のケースにも通じる古墳保存の、日本における60年の歴史。その原点がこのいたすけ古墳です。
今やいたすけ古墳は狸の家族が住みつくほど、住宅地の中にあって、開発からは程遠い地域として、存在しています。古墳の保存は、自然にもやさしい、のかもしれません。
今回の展示では、
(1)昭和20年代に百舌鳥古墳群中で破壊された古墳の資料
(2)いたすけ古墳の保存運動に関する資料
(3)百舌鳥古墳群の保存・加えて世界文化遺産登録の活動を紹介
以上の三部構成になっているとのこと。主な展示は、
・七観(山)古墳出土品(京都大学総合博物館) 12点
・七観(山)古墳採集資料(個人蔵) 10点
・カトンボ山古墳出土資料(堺市博物館蔵) 6点
・城ノ山古墳出土資料(堺市博物館蔵) 8点
・城ノ山古墳出土資料(同志社大学歴史資料館) 19点
・イタスケ古墳保存運動関係資料(個人蔵) 約30点
・いたすけ古墳出土衝角付冑型埴輪(堺市指定有形文化財) 1点
・いたすけ古墳周濠水質浄化への取り組み(府立堺工科高校・パネル)
詳細はこちらから。
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