現存し参拝可能な数少ない式内・宮中「座摩巫祭神五座」の二柱、縁切りなど
[住所]京都府京都市上京区室町通武者小路下ル福長町538
[電話]075-441-1083

福長神社(ふくながじんじゃ)は、京都府京都市上京区にある神社。御朱印の有無は不明。

御祭神は、福井神(さくいのかみ)、綱長井神(つながいのかみ)で、稲荷神(いなりのかみ)が合祀されている。

社名は、前二柱の神名による。両神はいずれも井戸の神で、元は宮中の井戸を守護する神であったとされる。

延喜式』巻9・10神名帳 宮中京中 宮中坐神 神祇官西院坐御巫等祭神に生井神・福井神・綱長井神・波比祇神阿須波神が「座摩巫祭神五座(大社、月次新嘗)」とある。

当社は別称として「福長稲荷」とも呼ばれることから、現在では合祀された稲荷神の方にウェイトが置かれているようだ。

もともと福神社と長井神社の二つだったとも。福井神・綱長井神は、生井神・波比祇神・阿須波神とともに、貞観元年(859年)、無位から従四位上に神階の昇叙を受けている。

社伝では、天正年間(1573年-1592年)の豊臣秀吉による聚楽第造営または廃城の際に現在地に遷座したという。

ただし、天正2年(1574年)に織田信長が上杉謙信に贈ったとされる「洛中洛外図屏風」では、すでに現在の場所において当社が確認される。

天明8年(1788年)の天明の大火による焼失以降、現在まで社殿は小祠となっている。

現在は、縁切りの社としても知られており、安井金比羅宮幸神社とあわせて、三社めぐりが行われる。必ず、1.安井金比羅宮、2.幸神社、3.当社の順で回らなければならないとされる。

安井金比羅宮ではなく、野宮神社とすれば、当社、幸神社の組み合わせであれば、縁結びの三社めぐりになるという。

【ご利益】
水の守護神、五穀豊穣・財運、良縁
福長神社 - 現存し参拝可能な数少ない式内・宮中「座摩巫祭神五座」の二柱、縁切りなど
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