大和国六御県神社の一つの式内論社、玉垣内から刀剣など出土
山辺御県神社(奈良県天理市別所町726)
[住所]奈良県天理市別所町726
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山辺御県坐神社(やまのべみあがたにいますじんじゃ)は、奈良県天理市別所町にある神社。尾崎山の麓に鎮座する。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「山邊御縣坐神社(大和国・山辺郡)」に比定される式内社(大社)の論社。

読みは「やまべみあがたにいます」「やまのべのみあがたにます」「やまのべのみがたの」などとも。

主祭神は建麻利尼命(たけまりねのみこと)。尾張氏系図に「火明命の六世孫」と見える神。

明治初年まで本殿を有せず、背後の尾崎山を神体とし、俗に玉垣宮と称されていた。『大和志料』が式内社にあてるが、『大和志』などは西井戸堂町の社を式内社に比定する。

式内「山辺御縣坐神社」は高市葛木十市志貴、山辺、曾布(添:三碓 | 歌姫)の、大和の六か所の御縣の一つで、それら御縣神社(大和六処御県神社、大和国六御県神社)の一つ。

正倉院文書『大倭国正税帳』によれば、天平2年(730年)に神戸の租稲272束のうち4束が祭紳料に充てられ、『新抄格勅符抄』によれば、大同元年(806年)、大和国に紳封二戸を寄せられる。

『三代実録』では、天安3年(859年)1月27日、従五位上に叙せられたとする。

明治中期に玉垣内を発掘した際、刀剣・金環残欠が出土したと伝える。現在、一の鳥居脇に「式内 山邊御縣坐神社」の石柱が立つ。

境内の社伝としては、横長の拝殿(切妻造・瓦葺)、その後ろ玉垣に囲まれた中に本殿(春日増・銅板葺)が、いずれも南面して鎮座する。

本殿背後、玉垣の外に磐座跡、あるいは磐境跡ともとれる石組遺構(斎宮と呼ばれる)があり、背後の尾崎山頂に円墳(規模不明)が、西方・北方に前方後円墳(全長57メートルの別所鑵子塚古墳・同115メートルの別所大塚古墳)などがある。

境内社に、春日神社(武甕槌命)、熊野神社(素戔嗚命)、菅原神社(菅原道真)がある。

例祭は10月1日。

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