芳野川流域の水分三社の一つ、崇神期の創祀とも、式内大社の論社
宇太水分神社(下社)(奈良県宇陀市榛原区下井足)
[住所]奈良県宇陀市榛原区下井足635
[電話]0745-82-0868
宇太水分神社(下社)の位置
宇太水分神社(うだみくまりじんじゃ)は、奈良県宇陀市榛原区下井足にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「宇太水分神社(大和国・宇陀郡)」に比定される式内社(大社、月次新嘗)の論社。

巻3「臨時祭」祈雨神祭条に「宇陀水分社一座」とあり、祈雨神祭85座に含まれる。近代社格では県社

芳野川に沿い、宇陀地域には他に二つの水分神社(宇陀水分三社)があり、宇陀市菟田野古市場の宇太水分神社を「中社」、同上芳野(うたのかみほうの)の惣社水分神社を「上社」、当社を「下社」とも称する。

当社を含めた三社が式内「宇太水分神社」の論社。

御祭神は、天水分神国水分神天児屋根命品陀別命

創建は第10代崇神天皇15年9月21日に勅祭が執り行われたことによるという。

『日本三代実録』によれば、「貞観元年(859年)風雨祈願に勅使を遣わし幣を奉った」とある。古くから、雨風祈願、五穀豊穣の御神徳の高い農耕神として信仰されてきた。

式内「宇太水分神社」は大和国の東西南北に祀られた四水分神社(大和国四所水分社)の一つとされていたが、現在、宇陀の大和国四所水分社は古市場の中社とされるのが有力。

大和国四所水分社の他の三つは都祁水分神社葛木水分神社吉野水分神社

『水分宮由来集』『神体形相記』などによれば、芳野川水分三社は、

古市場(玉岡)…男体
井足(田山=当社)…女体
芳野(中山)…童体

とされ、往古は、惣社水分神社から当社まで神輿の渡御があったとも言うが、現在は、惣社水分神社から古市場の中社への神輿の渡御が菟田野みくまり祭として知られている。

明治の初め頃までは、本殿をはじめ付属の建物はすべて古い形式の春日造であったが、明治11年(1878年)に県社の指定を受け、現在の神明造になったという。

境内末社に石神神社(磐長比資命)、稲荷神社(宇迦之御魂神)、金刀比羅神社(大名牟遥神)がある。金刀比羅神社が大物主命ではなく、同体とはされる大名牟遥神である点は珍しい。

【ご利益】
雨風祈願、五穀豊穣、商売繁盛、家内安全
宇太水分神社(下社) - 芳野川流域の水分三社の一つ、崇神期の創祀とも、式内大社の論社
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宇太水分神社(下社)の御朱印