鎌倉時代に建立された西本殿が国宝に指定され、重文も多数 33年に一度の大祭
[住所]滋賀県蒲生郡竜王町大字綾戸468
[電話]0748-57-0160

苗村神社(なむらじんじゃ)は、滋賀県蒲生郡竜王町綾戸にある神社。西本殿の御祭神は国狭槌命(国狭槌尊)、東本殿の御祭神は大国主命素盞嗚尊。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「長寸神社(近江国・蒲生郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格は県社

近郷の33ヶ村にわたって氏子を有する総社で、国の重要文化財に指定されている茅葺きの楼門には、神仏混合のなごりでやはり重文指定の木造不動明王像がある。

創祀は不詳。周囲には古墳が多く、祖霊信仰に始まる神社とされる。地名の那牟羅と同音の長寸(長は最高位、寸は村の古字)と呼ばれる。

安和2年(969年)3月28日、大和国芳野金峯山の国狭槌命の御神霊が、神域の西方に遷座、鎮座する。この際、社殿が造営され、この御社を東本殿に対し西本殿と呼ぶ。

現在の西本殿は鎌倉時代の建立のもので、三間社流造り、桧皮葺。「苗村神社西本殿」として、国宝に指定されている。

寛仁元年(1017年)正月、朝廷に門松用の松苗を献上して以来、年々の吉例となったことから、後一条天皇から苗村の称号を賜り、苗村と呼ぶようになった。

天文5年(1536年)3月2日、後奈良天皇から「正一位」の神位を授かる。同年4月9日、勅使中御門宗藤・山科言継により、神位記が奉納される。同年5月9日、「正一位苗村大明神」を下賜される。

毎年4月20日には苗村祭がある。九つの宮座から神馬渡御があり、奉納神事の後、神馬10頭と神輿3基が行列し、旅所まで渡御する。

毎年5月5日は節句祭。子供の成長を祝う大祭で、子供神輿の奉納と神馬10頭が参道を駆ける勇壮な「流鏑馬」が行なわれる。

式年祭として33年大祭がある。かつて毎年9月5日に氏子33ヶ村列座の大祭が行なわれていたが、1599年に改められ、現在は33年に一度行われる。 直近では平成26年(2014年)に行われ、次回は2046年の予定となる。

楼門と木造不動明王像のほか、境内社八幡社本殿、東本殿、境内社十禅師神社本殿、神輿庫が重要文化財に指定されている。

年末年始は、年越詣りから元旦の朝まで氏子青年会により参詣者に甘酒の無料サービスがあり、多くの初詣客で賑わう。

【ご利益】
開運招福、家内安全、厄災除け、商売繁盛、良縁(公式HP
苗村神社 - 鎌倉時代の建立である西本殿が国宝に指定され、重文も多数 33年に一度の大祭
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