高千穂の夜神楽(たかちほのよかぐら)
種別1:民俗芸能
種別2:神楽
公開日:通年(11月3日は天岩戸神社、11月22・23日は高千穂神社など)
指定日:1978.05.22(昭和53.05.22)
都道府県:宮崎県
所在地:西臼杵郡高千穂町

毎年冬季に宮崎県西臼杵郡高千穂町、高千穂地方の各地区で行なう神楽で、地区の民家で輪番制で神楽宿がきめられ、民家のオモテの間を神庭として神籬を設けて飾りつけ、三十三番の神楽を夜通し催している。

毎年11月中旬から2月上旬にかけて、町内のおよそ20の集落でそれぞれ氏神を民家等に迎えて奉納される神楽の総称である。幸多き秋の実りに感謝し、来年の豊穣を祈願するため神々に33番の神楽を奉納する。

その他、一般向けに天岩戸神社の「天岩戸夜神楽33番大公開まつり」(11月3日)や高千穂神社の「神話の高千穂夜神楽まつり」(11月22・23日)としても披露され、高千穂神社の神楽殿では年間を通じて毎夜観光客向けに代表的な4番を演じている。

素面の採物の舞と面をかけた神能とで構成され、深夜には神楽セリ唄をうたう若者による神楽セリがある。神楽は神の降臨を祈り、土地をきよめ、次に火の神、水の神、山の神、五穀の神、海の神などを祭り、つづいて岩戸開き、柴上げなど神々に対する感謝の舞、最後に「雲下」(くもおろし)で内注連をとり払い、すべてを終了する。

神楽を舞う人の資格は特別にはなく、各地区ごとに一般の男子が神楽を伝承している。

採物の舞と神能による神楽は全国に多数あるが、それらの中で、よく整い、民俗と一体となって伝承され、地域的特色を示すものとして価値がある。

保護団体名:高千穂地区神楽保存会、岩戸地区神楽保存会、田原地区神楽保存会、上野地区神楽保存会
重要無形民俗文化財「高千穂の夜神楽」 - 冬季の代表的な風物詩、現在は通年参観可能
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高千穂神楽 猿田彦面 - 天孫降臨の水先案内人サルタヒコ、ほぼ天狗のような面
高千穂神楽 細女面 - 目玉が見えないくらに目を細めた、朗らかなアメノウズメの面
高千穂神楽 手力男面と衣装一式 - アメノタヂカラオが天岩戸を探り当てる様の舞
高千穂神楽 戸取り面 - 天岩戸隠れハイライト、アメノタヂカラオが岩戸を放り投げる時の面
宮崎県の重要無形民俗文化財 - 都道府県別に整理