東京青梅の武蔵御岳山に鎮座する古くからの山岳信仰の聖地、愛犬祈願も
[住所]東京都青梅市御岳山176
[電話]0428-78-8500

武蔵御嶽神社(むさしみたけじんじゃ)は、東京都青梅市御岳山の山頂にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。当社へのアクセス

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 武蔵国 多磨郡「大麻止乃豆乃天神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では府社、現在は神社本庁に属さない単立神社。

御祭神は、櫛真智命(くしまちのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命安閑天皇(第27代天皇)、日本武尊

櫛真智命は、謎の多い神であるが、大和国十市郡の天香山坐櫛眞命神社(現 天香山神社国常立神社)に「元名 大麻等乃智神」とあり、天香山神社の御祭神と同一神だと考えられる。

第10代崇神天皇7年の創建とされ、天平8年(736年)に行基が蔵王権現を勧請したといわれる。

文暦元年(1234年)に大中臣国兼が荒廃していた社殿を再興し、以降は修験場として知られ、関東の幕府や武士から多くの武具が奉納される。

慶長10年(1605年)には大久保長安を普請奉行として本社が、元禄13年(1700年)には弊殿と拝殿が建立された。

明治に入ると神仏分離によって、それまでの御嶽大権現から大麻止乃豆天神社という式内社名に改称した。しかしほかの論社もあったため、御嶽神社と改称した。昭和27年(1952年)に現在の社号に改称した。

拝殿は五間社入母屋造の大き目の社殿で、朱塗りで鮮やかに彩られており、唐破風の向拝には彫刻がある。現在の本殿は一間社神明造で明治10年(1877年)に造営された。

本社玉垣内には、二柱社(伊弉諾尊伊弉冉尊)、八柱社(春日社・八幡社・䗝養社・八雲社・座摩社・月乃社・国造社・八神社)、北野社(菅原道真)、巨福社(埴山姫命)、神明社(天照大神)、大口真神社(おおくちまがみしゃ、大口真神)、常磐堅磐社(ときわかきわしゃ、諸国一宮祭神)、皇御孫命社(すめみまのみことしゃ、瓊々杵尊)、東照社がある。

玉垣内にはさらに太占祭場がある。1月3日早朝、非公開の儀式が行われる。占いを司る当社主祭神にちなむもので、中央の炉で鹿の骨を灼き、作物の豊凶を占う古い形式の占いで、現在では群馬県の一之宮貫前神社と当社だけに伝わるという。

奥宮に日本武尊を祀り、本社の南西の山奥、本社より徒歩40分のところにある。境内碑によると征夷高祖御社とある。

また、富士峰には産安社(木花開耶毘売命石長比売命息長帯比売命)が鎮座する。安産・子育ての神で、御神木には性神が祀られている。

大口真神社の大口真神は江戸期より「おいぬ様」として親しまれてきた。日本武尊とニホンオオカミの伝承が残る。

現在では犬の神として知られ、願掛けのため、犬を連れた参拝客も多く、当社でも愛犬祈願を行っている。当社のオリジナルの御朱印帳も狼をあしらったものとなっている。

畠山重忠より建久2年(1191年)に奉納されたと伝わる赤糸威鎧と、鎌倉時代の作である円文螺鈿鏡鞍 一具が国宝に指定され、本社玉垣に向かって右側に建つ宝物殿に収蔵されている。

他に、鎌倉時代中期頃の紫裾濃鎧、徳川家康より慶長10年(1605年)に社殿造営に伴い奉納された鍍金長覆輪太刀、鎌倉時代から南北朝にかけて平泉に存在した刀匠、宝寿の銘がある黒漆太刀 銘宝寿が国の重要文化財に指定されている。

なお、当社に向かう途中、参道の斜面右側に見上げるように立っているケヤキがある。日本武尊の伝承が残る。「御岳の神代ケヤキ」として、国の天然記念物に指定されている。

式内社「大麻止乃豆乃天神社」の論社は他に、稲城市大丸の大麻止乃豆乃天神社、府中市宮町の大國魂神社、八王子市北野町の天満社がある。

【ご利益】
学問成就、安産・子育て、愛犬祈願など(公式HP
武蔵御嶽神社 - 東京青梅の武蔵御岳山に鎮座する古くからの山岳信仰の聖地、愛犬祈願も
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武蔵御嶽神社の玉垣内
武蔵御嶽神社の御朱印