「おとりさま」として親しまれる、酉の市の起源・発祥の神社
[住所]東京都台東区千束3-18-7
[電話]03-3876-1515

鷲神社(台東区)(おおとりじんじゃ)は、東京都台東区千束にある神社。“浅草”を接頭語とすることも。浅草名所七福神の寿老人で、下町八福神の一社。

参拝すれば、御朱印を頂ける。鷲をあしらったオリジナルの御朱印帳もある。

酉の市の起源・発祥の神社と言われ、11月酉の日の午前零時に打ち鳴らされる「一番太鼓」を合図に始まり、終日祭が執り行われる。「おとりさま」として親しまれている。

御祭神は天日鷲命(あめのひわしのみこと)と日本武尊。江戸時代は「鳥の社(とりのやしろ)」、また「御鳥(おとり)」と言われた。また、鷲大明神社とも。

社伝によると、天照大御神が天岩戸に隠れた際、天宇受売命が岩戸の前で舞い、天手力男命が岩戸を開いた時、舞の伴奏の楽器である弦の先に鷲がとまったので、世を明るくする瑞象を現した鳥であると喜んだ。

以後、この神は鷲の一字を入れて鷲大明神、天日鷲命と称される。天日鷲命は、諸国の土地を開き、開運、殖産、商賣繁昌に御神徳の高い神としてこの地に祀られた。

後に日本武尊が東国遠征の際、社に立ち寄り戦勝を祈願、志を遂げての帰途に、社前の松に武具の「熊手」をかけて勝ち戦を祝い、お礼参りをした。

その日が11月酉の日であったので、この日が例祭の日と定められた。

酉の市は、正しくは酉の祭(とりのまち)。

『東都歳時記』には、「酉の日・酉の祭、下谷田甫鷲大明神社当社の賑へることは、今天保壬辰より凡そ六十余年以前よりの事」とあり、宝暦・明和年間(1750年-1760年)にはすでに相当な賑わいで世に知られていたことは確実。

江戸名所図会』にも記載された。

樋口一葉の『たけくらべ』に「此年三の酉まで有りて中一日は津ぶれしか土前後の上天気に鷲神社の賑わひすさまじく、此処をかこつけに検査場の門より入り乱れ入る若人達の勢ひとては天柱くだけ地維かくるかと思はるる笑ひ声のどよめき……」とある。

また、広津柳浪『今戸心中』、久保田万太郎『三の酉』、沢村貞子『「私の浅草』など、多くの文学作品で題材とされている。冬の季語になる俳句として、
人並に押されてくるや酉の市 高浜虚子
一葉忌ある年酉にあたりけり 久保田万太郎
雑閙や熊手押あふ酉の市 正岡子規
など秀句が多くある。大正12年(1923年)の関東大震災後も、太平洋戦争の戦時中、昭和20年(1945年)の終戦の年にも開催された。

最近では、社務所付近に設置される「なでおかめ(=アメノウズメ)」が人気で、なでる部位により違うご利益を授かると伝えられている。

当社の熊手御守は開運・商売繁昌のお守りとして「酉の市」のみに授与される。一般に「かっこめ」「はっこめ」と呼ばれる。縁起物のとしての熊手ももちろん人気。

【ご利益】
豊漁、商工業繁栄、開運、開拓、殖産の守護神
鷲神社(台東区) - 「おとりさま」として親しまれる、酉の市の起源・発祥の神社
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鷲神社(台東区)の御朱印