御嶽神楽(おんだけかぐら)
種別1:民俗芸能
種別2:神楽
公開日:毎年9月23日、毎年4月第1日曜日など
指定日:2007.03.07(平成19.03.07)
都道府県:大分県
所在地:豊後大野市清川町(旧 清川村)

御嶽神楽は、大分県豊後大野市清川町(旧 清川村)に伝わる神楽で、神話を主題にした演目を中心に33演目を確実に伝え、大分県南部を中心に伝承される同種神楽の代表的なものである。

宝徳元年(1449年)、豊後国の守護であった大友氏第14代当主大友親隆が日向行縢山での薩摩への戦勝を記念して創建した御嶽神社で奉納されたのが始まりであるとされる。

その後、江戸時代中期に、加藤長古が出雲神楽の型を取り入れて現在の神楽の型を完成した。第二次世界大戦後には、一時は過疎化により存続が危ぶまれた時期もあったが、村を挙げての保存活動によって再び盛んとなった。

各演目は、登場場面、中心の舞、退場場面の三部構成を基本に、激しい動きによる勇壮な舞振りによって展開され、人々を楽しませるために、舞い手が観客と榊の枝を引っ張り合うなどの点に特色がある。

御嶽神社の秋の祭礼では、御旅所近くの仮設の舞台で演じられる。必ず最初に、5名の舞手によって、その場を浄める意味がある「五方礼始」が舞われ、その後、次のような神話を主題にしたものが数演目演じられる。

・天岩戸の前に立てる榊を整える意味とされる「柴曳」
八岐大蛇退治の「綱切」
・神々が地上に降り立つ様子を表す「天孫降臨」
・姿を隠した天照大御神にちなむ「岩戸開」
・国土創造にちなむ「天沼矛」
・天照大御神と須佐之男命の「誓約」
・高天原の機屋における須佐之男命の乱暴にちなむ「綱武」
など

最後は、神楽を無事に終えた事を感謝し天下太平を祝う意味で、必ず「大神」が演じられる。いずれの演目も大太鼓、締太鼓、伏鉦、笛の伴奏により、動きの早い所作によって勇壮活発に展開される。

各演目は、基本的に登場場面、中心の舞、退場場面の三部で構成されるものであり、芸能の変遷過程や地域的特色を示し特に重要である。

毎年4月の第1日曜日に、清川町の御嶽山麓にある神楽の里・能場公園で、御嶽流神楽の流れを汲む大分県内外の神楽が一堂に集まる御嶽流神楽大会が開催されており、御嶽神楽をはじめとする御嶽流神楽を鑑賞することができる。

保護団体名:御嶽神楽保存会
重要無形民俗文化財「御嶽神楽」 - 登場・中心・退場の三部構成、激しく勇壮な舞振り
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