長崎くんちの奉納踊(ながさきくんちのほうのうおどり)
種別1:民俗芸能
種別2:その他
公開日:毎年10月7日-9日
指定日:1979.02.03(昭和54.02.03)
都道府県:長崎県
所在地:諏訪神社(長崎市)

長崎くんちの奉納踊といわれる行事は、長崎県長崎市の諏訪神社の秋の祭りに奉納されるもので、様々な芸能が含まれる。寛永年間(1624年-1645年)から歴代の長崎奉行が、特にこれを奨励したので年々盛大となり、長崎の伝統行事として市民生活に定着してきたものである。

この祭りの次第は10月7日神輿渡御、9日神輿還御及びこの3日間に行なわれる奉納踊である。奉納踊の行事は7年に1回廻ってくる当番の各町(踊町という)ごとに、傘鉾・本踊・出しものなどを連ねて市内を行列し、諏訪神社・御旅所・伊勢宮・八坂神社・市公会堂前などで上演するものである。

傘鉾は踊町の行列の先頭に立つもので、だし(上部の飾り物)にそれぞれの町の工夫がなされている。盛時は72を数えたが、現在は約半数に減少している。

本踊は舞踊で、踊町内の人が踊るが、踊町内で編成できない場合は、検番(丸山町・寄合町)に依頼する。踊りの内容は特に定まったものはない。

出しものには竜踊・竜船・川船・鯨の汐吹き・御座船・唐人船・コッコデショなどがある。

奉納踊の準備は6月1日の小屋入りから始まる。各踊町から踊り子や世話方が美しく着飾って諏訪神社・伊勢宮・八坂神社の修祓を受け、8月・9月と各踊町で稽古を積み、10月4日の人数揃いではじめて新調の衣裳・道具をつけ、町内で総ざらいをする。

この奉納踊の行事はきわめて多彩な内容を含み、特に長崎独特の文化的伝統を伝えるものとして重要である。

博多おくんち(福岡市博多区)や唐津くんち(佐賀県唐津市)と並ぶ日本三大くんちとされる。

保護団体名:長崎伝統芸能振興会
重要無形民俗文化財「長崎くんちの奉納踊」 - 400年続く市民生活に定着した長崎の行事 
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