大村の郡三踊(寿古踊・沖田踊・黒丸踊)(おおむらのこおりさんおどり(すこおどり・おきたおどり・くろまるおどり))
種別1:民俗芸能
種別2:風流
公開日:おおむら秋まつり(例年10、11月)ほか
指定日:2014.03.10(平成26.03.10)
都道府県:長崎県
所在地:大村市の旧郡村の寿古、沖田、黒丸

長崎県大村市の旧郡村の寿古、沖田、黒丸の各地区にそれぞれ伝わる風流踊である。寿古踊、沖田踊、黒丸踊の三つの踊りには「同時に始まった吉例の踊」との伝承があり、地元で「郡三踊」と呼ばれている。

現在は、大村市が毎年行う「おおむら秋まつり」などの催しに各踊りが輪番で出演するなどしている。

三つの踊りは、いずれも踊りの庭までの道行と庭での踊りの二部構成をとっている。それぞれ踊りは異なるものの、踊り手や囃子方の衣裳や、囃子方が1列に座して演奏する形など共通する要素が多く見られるものである。

寿古踊の庭での踊りは、子供たちによる「垣踊」と「早踊」である。踊り手は舞太鼓と垣踊から成り、いずれも振袖姿だが、舞太鼓だけは袴を着け、月の輪と呼ぶ笠を被る。中央に位置した舞太鼓を挟んで垣踊が二列になり、その後、輪となって踊る。

沖田踊は、年長の子供たちによる長刀と年少の子供たちによる小太刀が、長刀を外側、小太刀を内側とした二重の輪を作り、お互いに向き合って打ち合わせて踊る。

黒丸踊には「入羽」「小踊」「三味線踊」がある。入羽では、81本の竹を放射状に広げ、その1本1本に和紙製の花飾りを付けた大きな花輪を背負った大花輪と、旗を背負った大旗が、背負い物を左右に揺らしながら胸前の太鼓を叩くなどして踊る。鉦叩きも左右に体を動かしながら鉦を叩く。また、小踊、三味線踊では、子供たちが陣形を変えつつ踊る。

本件は、祝事の芸能として神社祭礼等とは結びつかず、また三地区それぞれに伝承される踊りが一連のものとして位置づけられ、演じられてきた芸能である。近世の文献に記された踊り手の構成などを今に残し、地域的特色や芸能の変遷の過程を示して重要なものである。

保護団体名:寿古踊保存会、沖田踊保存会、黒丸踊保存会
重要無形民俗文化財「大村の郡三踊(寿古踊・沖田踊・黒丸踊)」 - 同時に始まった吉例の踊
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