壱岐神楽(いきかぐら)
種別1:民俗芸能
種別2:神楽
公開日:壱岐島の各神社の祭礼
指定日:1987.01.08(昭和62.01.08)
都道府県:長崎県
所在地:壱岐市、壱岐島

壱岐神楽は、壱岐島の各神社の祭礼の際に舞われる採物神楽(とりものかぐら)の一種であり、神社の拝殿あるいは神前の斎場に神楽座を特設して舞われる。

吉野家文書によれば、永享7年(1435年)11月に「神楽舞人数の事」と題して25人の神楽人の名前が記録されており、壱岐島では、古くから神楽が舞われていたことが知られる。

その後、文明4年(1472年)には、肥前岸岳城主波多泰が壱岐を領有し、この全島の社家は11月に領主の館において御竈祭の大神楽を奉仕するのを例とした。

さらに元亀年間(1570-1573年)、壱岐が平戸の松浦氏の領地となったので、壱岐の惣神主である吉野甚五左衛門末秋が壱岐の社家二十余名を率いて平戸の松浦氏の居城に赴き、御竈祭を奉仕して、神楽を舞ったといわれる。

その後は、平戸地方の社家と共同してこの祭りで神楽を演じ、互いにその技を伝えあった。また、壱岐の社家の人々は代々神楽歌の改訂などに取り組み、この地方独特の神楽を作りあげた。

この神楽の演目は、一般に三十三番といわれているが、今日、伝承されているものは、神遊び、四本幣、二本幣、注連舞、眞榊、野槌、鉾、八咫烏、橘、殿保賀比、神酒保賀比、四剣、二剣、四弓、二弓、五方、神代語、大諄辞、猿田彦、鈿女、弥散供米、折敷、神相撲、漁舞、荒塩舞、神楽始、湯立、御湯舞、御湯泰奠、篠湯、思兼、太多目、児屋根、手力男、岩戸開、注連曳、豊年舞の三十七番がある。

壱岐神楽は、やはり現在では国の重要無形民俗文化財に指定されている平戸神楽と互いに影響しあいながら展開してきているが、その演目や舞い方にはそれぞれ独自のものがあり、長崎県内の神楽の一典型を示すものとして地域的特色が極めて顕著であり重要である。

保護団体名:壱岐神楽保存会
重要無形民俗文化財「壱岐神楽」 - 記録上は15世紀以来、各神社の祭礼で奉納される
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