武雄の荒踊(たけおのあらおどり)
種別1:民俗芸能
種別2:風流
公開日:毎年9月の彼岸の中日
指定日:1977.05.17(昭和52.05.17)
都道府県:佐賀県
所在地:武雄市の松尾神社(高瀬)、八幡神社(中野)、正一位神社(宇土手)

佐賀県武雄市、旧武雄領内に伝承される民俗芸能で、その起源については諸説あり、定かではないが、一説に享禄3年(1530年)、島原の有馬氏が武雄を攻めて住吉城に迫った時、第18代武雄領主後藤純明が夜襲によってこれを破り、その戦勝祝いに足軽たちが即興的に踊ったのが始まりとも伝わる。

その後、永禄6年(1563年)、有馬氏は第19代武雄領主後藤貴明を島原に招待して暗殺を計画。貴明は、家臣たちに踊り衣装を着けさせて同行させ、一応の礼式が終わったところで、踊りを披露し、貴明も踊りながら退出し、難を逃れた。

この時の踊りを「荒踊」というと伝えられており、この頃には踊りとして、一定の形式を整えていたと考えられる。

現在は、毎年9月の彼岸の中日に各地区の氏神社、松尾神社(高瀬)、八幡神社(中野)、正一位神社(宇土手)で演じられる。

踊の構成は「もっしょ」と「かき」から成り、「もっしょ」は踊り手の指揮統卒者で、「もっしょ」以外の踊り手を「かき」といい、「もっしょ」を中心にして円陣形に人垣を作る。

囃子は笛、大太鼓、鉦などで、これに歌が加わる。荒踊に三番叟、銭太鼓などの踊り浮立の曲目が付随して演出される。荒踊の力強い振と銭太鼓などの優雅な振りがよく調和している。

民俗芸能の中でも特に重要であるとともに地域的特色を有するものである。

保護団体名:高瀬荒踊保存会、中野荒踊保存会、宇土手荒踊保存会
重要無形民俗文化財「武雄の荒踊」 - 16世紀武雄領主後藤氏の伝承が起源の優雅な踊り
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