スサノヲ祀る、石上神宮とサジフツノカミの本宮、備前国一宮
[住所]岡山県赤磐市石上字風呂谷1448
[電話]0867-24-2179

石上布都魂神社(いそのかみふつみたまじんじゃ)は、岡山県赤磐市にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 山陽道神 備前国 赤坂郡「石上布都之魂神社」に比定される式内社(小社)。「全国一の宮会」に加盟して、備前国一宮とされ、近代社格では郷社。

明治時代までは、素盞嗚尊八岐大蛇を斬ったときの剣である布都御魂(ふつのみたま)が御祭神だった。

十握剣を祀ったのが当社の創始。この剣は第10代崇神天皇の時代に大和国の石上神宮へ移されたとされており、このことは石上神宮の社伝にも記されている。

つまり当社はサジフツノカミの本宮であり、石上神宮の本宮でもあると言える。地名はその名残。『備前国総社神名帳』では128社中2位に正二位布都魂神社と記載されている。

江戸期までには廃れていたのようで、寛文9年(1669年)、岡山藩主池田光政が山頂にあった小祠を復興。

次代綱政は延宝2年(1674年)に社領20石を寄進し、宝永7年(1710年)に社殿・神楽殿を造営した。その後も歴代の藩主の崇敬を受けた。

明治6年(1873年)に郷社に列した。御祭神を素盞嗚尊に変更したのはこのときと考えられる。

明治7年(1874年)、菅政友が古典に石上神宮(当時布留神宮)社内の禁足地に韻霊の神剣埋蔵されていることを発見、教部省の許を得て発掘し、神剣と勾玉を検出した。

神剣は明治天皇に高覧いただいた上で、布都斯魂之大神として布留神宮で祀ることとなった。その時この剣を模して、月山貞一が制作した剣が宮内省に納められた。その剣が後に当社に寄進された。

明治40年(1907年)、大火で山頂の社殿が焼失し、大正4年(1915年)に中腹の現在地に再建された。

昭和21年(1946年)1月10日、内務省より由諸などから県社となるべき資格ありと認定されたが、この年の2月2日に社格制度が廃止された。

山上にある本宮(奥の院)が、昭和59年(1984年)2月18日に赤磐市史跡(指定当時は旧吉井町)に指定された。

平成5年(1993年)、現拝殿を建立する。近郷では「神社様(じんじゃさま)」と呼ばれ、疫病災(えやみ)を断つこと、安産、農耕、養蚕の守り神、子授かりの神として篤く信仰されている。

なお、備前国一宮としては、他に、吉備津彦神社(岡山県・岡山市)がある。

【ご利益】
疫病災断ち、安産、農耕、養蚕の守り神、子授かりの神
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石上布都魂神社の御朱印