天智天皇による創祀、神事「春日の婿押し」が有名な古社
[住所]福岡県春日市春日1-110
[電話]092-581-7551

春日神社(かすがじんじゃ)は、福岡県春日市にある神社。近代社格では県社。牛頸川に架かる御潮井橋(おしおいばし)から直線に参道が延びている。

祭祀の発生は古く、この地に中大兄皇子(後の天智天皇)が天児屋根命を祀ったことに始まると伝えられる。腹心である中臣鎌足(藤原鎌足)の祖神にあたる。

春日の四神を祀る神社としての起源は、藤原田麻呂が大宰大弐として大宰府にいた神護景雲二年(768年)にさかのぼる。

藤原家の祖神たる天児屋根命がこの地に祀られていることを知った田麻呂は、自身の故郷である大和国春日の春日大社より武甕槌命経津主命、姫大神(ひめがみ)の三柱を神籬に迎え祀って、春日大明神として社殿を創建。

戦国時代末期の天正14年(1586年)には、戦乱のさなかで島津勢の兵火に遭い、社殿、末社、宝蔵、古文書などの一切が焼失。荒廃の途を辿ったが、寛永4年(1627年)、黒田長政の家老黒田一成により、社殿が再建される。

その後、元禄9年(1698年)の改築と平成8年(1996年)の総改修を経て、現在の姿に至っている。

境内には太力雄命太玉命を御祭神とする末社・若宮社、また薬師堂などがある。なお、アメノタヂカラオを「太力雄命」と表記するのは全国的にも珍しい。

入口の鳥居は黒田一利により宝永7年(1710年)に奉納されたもので、奥部のものは平成8年(1996年)12月の奉納。

福岡四代綱政や六代継高が奉献した石灯籠、高麗拘、鰐口、秋月四代黒田長貞が奉献した庚申面などもある。

最奥部たる社殿の裏手には、承天寺の末寺であった大光寺の跡が遺され、十三仏が安置されている。

境内に生える11本の樟はまとめて「春日の杜」と呼ばれ、県の天然記念物に指定されている。

4月15日が春籠の祭、7月15日が夏籠の祭、10月10日が秋季例大祭。しかし、何よりも有名なのが、国の重要無形民俗文化財に指定されている「春日の婿押し」。

古来から毎年1月14日夜に行われ、数百年の歴史を持つ。氏子のうち、前年に結婚した新郎新婦を宿(現在は敷地内に建つ公民館)で披露し(左義長点火、宿の行事)、拝殿と境内で『祝い歌』を歌いながら婿を揉み(婿押し)、最後に若水を掛けて祝福する行事(若水祝い)と、五穀豊穣と開運を願っての樽せりやお汐井取りが行われ、千秋楽で幕を閉じる。

【ご利益】
家内安全、厄除、交通安全、初宮詣、災難除、安産祈願など(公式HP
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