幸若舞(こうわかまい)
種別1:民俗芸能
種別2:語り物・祝福芸
公開日:毎年1月20日
指定日:1976.05.04(昭和51.05.04)
都道府県:福岡県
所在地:大江天満神社(山門郡瀬高町大江)

幸若舞は、室町時代から流行した中世芸能であるが、その系脈がいまも福岡県山門郡瀬高町大江に伝承されている。いわゆる大江幸若舞である。

天正10年(1582年)、京都の大頭の流れをくむ者が筑後に下り伝えたといわれ、『日本紀』『安宅』『高館』など四十二番の台本伝書を伝えている。

正月20日、大江天満神社の舞台で演じられ、幕の前に小鼓方一人が床几にかけて囃し、その前に立烏帽子、素袍上下に小太刀の太夫、左右に折烏帽子、同じ装束のシテ、ワキが控え、各々扇を持つ。

謡が主で、長い詞章をその段落により適宜に三人で分けて謡ったり、また共に謡ったり、時に舞台を一進一退する。

中世から近世にかけて、能と並んで武家達に愛好された芸能であり、武士の華やかにしてかつ哀しい物語を主題にしたものが多く、これが共鳴を得たことから隆盛を誇った。

一ノ谷の戦いの平敦盛と熊谷直実に取材した『敦盛』は特に好まれ、現在でもその人気は高い。いわゆる織田信長の「人間五十年、化天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり」の原典。

700年の伝統を持ち、能や歌舞伎の原型といわれる。

保護団体名:幸若舞社中
重要無形民俗文化財「幸若舞」 - 700年の伝統、『敦盛』は信長「人生50年」の原典
【関連記事】
福岡県の重要無形民俗文化財 - 都道府県別に整理