土佐の神楽(とさのかぐら)
種別1:民俗芸能
種別2:神楽
公開日:各神社の祭礼など
指定日:1980.01.28(昭和55.01.28)
都道府県:高知県
所在地:長岡郡大豊町、高岡郡四万十町など

高知県の四国山地に沿った東西一帯に多くの神楽が伝承されている。

神楽には巫女神楽、出雲神楽、伊勢神楽、獅子神楽、山伏神楽等の系統があるが、この地の神楽は鈴、榊等々の採り物を手にしての舞や記紀の神話を素材にした劇的な舞などから構成される出雲神楽の系統に分類することが出来る。

長岡郡大豊町の「岩原神楽」、高岡郡四万十町の「幡多神楽」など数種の神楽を総称して、「土佐の神楽」としており、これらは当地方独特の様相を呈するとともに、今日一般的な神楽よりも一時代前のものとみなされる要素をもとどめている。

剣をとってさっそうと舞う姿(「二天」「三刄の舞」)や「盆(膳)の舞」「長刀の舞」などの曲芸的あるいはスリルを感じさせる演目、鬼面の者が登場して悪さをし、言いまかされて宝物を置いて逃げ去る次第(「四天鬼神」「悪魔払」)などに力をそそいでいる点はこの地域神楽の特徴である。

また物部村に祈祷を主とした祭文神楽が現存しているように、舞の詞章に語り物的要素を残しているところがいくつかあり、大方の神楽が近世復古神道にその解釈や唱文を依拠しているのに比して貴重である。

保護団体名:いざなぎ流御祈祷保存会、岩原・永渕神楽保存会、本川神楽保存会、安居神楽保存会、池川神楽保存会、多野川岩戸神楽保存会、梼原町津野山神楽保存会、東津野村津野山神楽保存会、幡多神楽保存会
重要無形民俗文化財「土佐の神楽」 - 今日一般的な神楽よりも一時代前の要素も
【関連記事】
高知県の重要無形民俗文化財 - 都道府県別に整理